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ドクター江部の糖尿病徒然日記  妊婦の糖質制限と子供の肥満は関係ある?

福岡秀興・早稲田大ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員は、以前から
英国のサウサンプトン研究を引用して、糖質制限食批判をされてますが、
根本的な勘違いをしておられるようです。

福岡氏の引用元の論文は、
炭水化物摂取が
261.5g/日未満
297.5g/日未満
351.0g/日未満[/太字]
351.0g/日以上
の4群の妊婦の研究です。

即ち、全員が大量の炭水化物摂取をしていての研究です。
従って、そもそも糖質制限食とは、全く無関係の論文です。

糖質制限食とは130g/日以下の糖質摂取が定義となります。
糖質制限食の妊婦と、子供の肥満に関する論文はありません。

私は、この論文の仮説は、子供の肥満のごく一部の要因を説明する可能性は否定しませんが、
普通に考えて、出生後の食生活のほうがはるかに大きな要因となると思います。

また、この仮説は、少なくとも日本女性には、全くあてはまらないと思います。
悪阻(つわり)も考慮すれば、妊娠初期の日本女性のかなりの人が、
炭水化物摂取が261.5g/日未満であり、この研究における最も少ない炭水化物摂取量群に入ると思います。
しかし、過去も現在も、日本の子供が英国の子供より肥満が多いとはとても言えませんね。

なお、「炭水化物摂取量」ではなくて、「飢餓と妊婦と子供の将来の肥満」に関しては
明確なデータがあります。
第2次大戦の1944年11月から1945年のドイツ降伏まで
オランダは約半年間の飢餓状態におかれました。
この時の妊婦から生まれた子供は、成人してから、肥満と糖尿病になる確率が
高かったことが知られています。
特定の遺伝子にエピジェネチックにメチル化が起こり、
これらの発現が調整されたと考えられています。

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