カーボ・ローディングについて

Amazon.co.jp: 間違っていた糖尿病治療―科学的根拠に基づく糖尿病の根本的治療: 大櫛 陽一: 本
Chapter1 15 運動量の多いアスリートも糖尿病になるのはなぜ?
特に問題となるのは、カーボ・ローディングである。アスリートの一部では、炭水化物を多く摂取してグルコースを体内に蓄積しておけば競技の時に筋肉エネルギーが多く保たれると信じている。このために、練習時や試合前に多くの炭水化物を摂取するのである。多くの炭水化物を摂取すれば多くのインスリンが分泌されて、ベータ細胞が早く疲弊する。しかし後のChapter5-2で説明するが、実際に体内に蓄積できるグルコースは、体重70kgの男性でわずか640kcalなので、マラソン(時速18㎞)なら、30分しかもたないのである。そのため、途中でバナナやグルコースを含む飲み物が必要となる。途中での糖質補給で、さらにベータ細胞を疲弊させるのである。
市販のスポーツドリンクにはかなりの量の糖質が含まれているので避けた方がよい。糖質を多く摂取するとベータ細胞を疲弊させるだけではなく、Chapter1-4で示したように血液中の脂質を脂肪組織に吸い込む。このことは後に示す我々の糖負荷試験でも確認された(Chapter3-8図A7、9、11)。血液中の脂質が少なくなると、長時間運動時に主要なエネルギー源になるケトン体が作られなくなり、途中でバテるのである(Chapter3-4)。
Chapter3-5 脂肪を燃やすためには炭水化物は不要である
運動中に炭水化物の摂取が必要な理由として、「炭水化物は脂肪を燃やす火だねとして必要である」と信じられてきた。しかし、これは間違った考え方であった。
脂質も糖質もアミノ酸の炎で燃えるのである。
Chapter3-6 脳はグルコースよりもむしろケトン体を好む
Chapter5 2 ケトン体はタフなエネルギー源である
人においても、体重70kgの男性では平均値で、体内脂肪として100,000kcal、筋肉のタンパク質として24,000kcal、肝臓のグリコーゲンとして40kcalを蓄えられる。
なお、筋肉のタンパク質は飢餓時以外では使われない。体重70kgの人がマラソン(時速18㎞ 18METS )で走っているときには1時間当たりの消費エネルギーが1,260kcalなので、いくらカーボ・ローディングをしていても、血中グルコースは3分、グリコーゲンは30分で全部使われてしまう。
計算すれば分かるが、ケトン体を使えば100,000k化l÷1,260kal=約80時間のマラソンでも可能なのである。誰でもケトン体を使う能力を持っているが、効率よく利用する能力を1~2週間で甦らせることができる。

カーボローディングの基礎知識 | Vol.7 そうだったのか。トレイルランナーのカーボローディング | 特集企画 | トレイルランニング情報サイト – トレラン王国エネルギー源となるのは、(1)炭水化物に含まれる糖質、(2)たんぱく質、(3)脂質、ということは前述しましたが、エネルギー源としてわれわれが主に使うのは、この中の「糖質」です。『カーボローディング』のカーボ(carbo-)とは炭水化物を意味します。一般にはカーボローディングと呼ばれるケースが多いのですが、正式には糖質を指して『グリコーゲンローディング』と呼びます。
ただし、体内に貯蔵できる糖質の量には限界があります。ちなみに成人の場合、肝臓で約100g、筋肉で約250gの糖質を貯蔵できると言われています。
糖質がなくなると今度は脂肪がエネルギー源として燃えていきますが、枯渇するまで糖質がなくなってしまうと脂肪をエネルギー源として使う事もできなくなってしまいます。
カーボロードと補給にまつわるQ&A | Vol.7 そうだったのか。トレイルランナーのカーボローディング | 特集企画 | トレイルランニング情報サイト – トレラン王国今回、「メッツ(Mets)」を用いたエネルギー消費量を簡易換算式から最低値として算出してみたいと思います。
その換算式は
エネルギー消費量(kcal)=1.05×エクササイズ(メッツ・時)×体重
で表すことができます。
*1.05とは、体重1kgあたりの1メッツ・時に必要なエネルギーの指数
トレイルランという事もあり、活動内容を登山というエクササイズと指定し、性別問わず体重60kgの人が、14時間でゴールした場合
登山8メッツ(Mets)/時×14時間=112メッツ
エネルギー消費量=1.05×112メッツ×60kg=約7000kcal
これはあくまで活動エネルギーですので、この値プラス私たちが何も運動しなくても生命活動を維持するために必要なエネルギー(1000~1500kcal)を加えて、その日一日に必要なエネルギーは、おおよそですが最低8000~8500kcalという事になります。ひとつ200kcalのおにぎりだと、40個以上は必要になる計算です。そう考えると、いかにカーボローディングを行っていても、それだけで走りきる事はできないし、逆におにぎり40個を持って走る事も難しいですよね。事前にカーボローディングでエネルギー源となるグリコーゲンを体内に蓄えておく事、またレース中は補給食や体内に蓄積されている脂肪もうまく燃焼させながら、エネルギーを切らさずに効率よく使っていかなければいけない事がわかると思います。
ハンガーノックとは筋肉や肝臓で蓄えられているグリコーゲンが使い果たされ、身体を動かすためのエネルギー源がなくなり、筋肉か動かなくなったり、脳に十分な栄養が運ばれなくなることで思考能力が低下し、最終的には身体を動かす事ができなくなる低血糖状態のことをいいます。車もガソリンがなくなると動かなくなりますよね、それと同じです。トレイルランなど長時間身体を動かし続けるスポーツでは、いくら事前にカーボローディングを行い、身体にエネルギーを貯蔵していたとしても、それだけで走り続ける事は不可能です。
ハンガーノックに陥らないためには、レース途中でのエネルギー源となる糖質を含む補給食が重要となってくるのです。エネルギーとしてグリコーゲンだけではなく身体に蓄えられている脂肪も運動時エネルギー変換されていくのですが、脂肪をエネルギーとして変換する際に糖質も利用されますので、グリコーゲンが枯渇するまでなくなってしまうと脂肪をエネルギー源として使う事もできなくなってしまいます。糖質を限界まで使いきらないうちに、早いうちに身体に補給することで、ハンガーノックは防ぐ事ができます。
カーボローディング講座 :第1回 カーボローディングとは?つまり直訳すると「カーボローディング」とは「炭水化物を身体に詰め込むこと」ということになります。
炭水化物は消化吸収されたのち、肝臓と筋肉にグリコーゲンという形で貯えられ、運動時のエネルギー源となるので、カーボローディングを正しく解釈すると、 「運動時のエネルギー源となるグリコーゲンを、より多く筋肉や肝臓に貯えること、また、それを目的とした食事方法」ということになります。
もっと直接的に「グリコーゲンローディング」という言葉が使われる場合もあります。
しかし、炭水化物は貯えられる量に限度があり、体重70kgの大人で、肝臓に70g、筋肉に400gといわれています。
運動をしながら炭水化物に富んだ食事をしている、良くトレーニングされた選手になると、もう少し筋肉中の貯蔵量は多くなり、500g以上と考えられていますが、 運動中に、この炭水化物(主にグリコーゲン)が不足するとスタミナ切れをおこし、動けなくなってしまいます。
フルマラソンで30~35キロ地点に壁があるといわれる所以の1つです。 これを防ぐため、レースや試合の前に、吸収されやすい良質の炭水化物を摂り、グリコーゲンとしていかに体内に貯えるかが、競技者の勝負に関ってくるのです。
カーボローディングの原理と方法 肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)人間の筋肉は主に糖質をエネルギー源として動いているので、体の中に十分な糖質が無くなるとエネルギー切れを起こして運動中に十分な筋力が発揮できなくなってしまいます。つまりバテてしまうということですね。
トーキョーパラレル フルマラソンで記録を更新する10の秘訣 | TOKYO PARALLELS
○グリコーゲンの枯渇
グリコーゲン(糖質)が枯渇することでも疲労は起こる。車でたとえるならば、『ガソリン』の役割を果たすグリコーゲン。筋肉は体内組織内に蓄えられているグリコーゲンをエネルギーとしてその活動を行う。この蓄えられる量には限界がある。最大で2,000Kcalと言われている。単純計算となるが、体重60Kgの人がフルマラソンで必要となる消費カロリーを計算すると・・・
[体重]×[走行距離(Km)]=[消費カロリー]として、2,500Kcalとなる。
つまり、フルマラソン中にグリコーゲンが枯渇し、動けなくなるというわけだ。
ちなみにグリコーゲンが蓄えられる主な場所は、筋肉と肝臓である。
ランニング何でも相談室3.ランナーの食事
3.1カーボローディングはもういらない
マラソンの直前になったら炭水化物を食べる。というのが今までの常識であった。つまり、ごはん、パン、スパゲティー、もち、カステラなど炭水化物をたくさん取って、体内のグリコーゲンを増やす。 ところが、最近になって、レース直前になって炭水化物中心の食事をするとかえって、エネルギー切れを起こす原因になるという説が登場してきた。体内にグリコーゲンとして貯蔵出来る炭水化物は どんなに頑張っても2000キロカロリー程度。これだけではマラソンは走りきれない。どうしても脂肪を燃焼させる必要がある。そこで、脂肪をうまく燃焼させることができるかどうかが、エネルギー切れを起こさないカギとなる。炭水化物中心の食事すると、体内でインシュリンというホルモンの分泌が高まり、脂肪の燃焼が押さえられてしまう。そのためランナーは脂肪の助けを得られらなくなって、エネルギー切れの状態になりやすい。脂肪の燃焼を促すには、炭水化物に偏らず、脂肪もタンパク質も含んだ食事をしたほうがいい、というのだ。
スポーツ選手の食事法|農畜産業振興機構 グリコーゲンは、人では肝臓に6~10%、筋肉では0.3~0.86%ぐらい蓄積され、通常成人男子では90~150gが肝臓に肝グリコーゲンとして貯蔵されていて、100~400gのグリコーゲンが筋肉内に存在し、また血中グルコースとしては、わずかに15~20gが存在するだけとなります。つまり、蓄積されている糖質によるエネルギー源はわずかに1,500~2,000kcalを備えているにすぎません。
グルコースは運動中における最も重要なエネルギー源でありますが、そのポイントとして以下の4つが考えられます。
(1) エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質が挙げられますが、脳細胞にとって唯一のエネルギー源は血中グルコースのみです。
(2) 運動中には筋肉へのグルコースの取り込みが高まりますが、一方で血糖値は一定に保たれています。これは、脳細胞へのエネルギー供給が怠らないようにするためです。
(3) このため、肝臓のグリコーゲンが分解されて血中グルコースとして、さまざまな組織に供給されます。
(4) 一方、グリコーゲンは定期的な食事により供給されることが必要で、糖質から供給されるもので、たんぱく質や脂質を摂取しても供給されません。
 こうしたことから、糖質摂取の不足は肝臓や筋肉中のグリコーゲンの不足につながり、運動の持続時間を制限しかねません。まして、運動が長時間に及ぶと、エネルギー源であるグリコーゲンの貯蔵量が少なくなるため、運動の継続時間が短くなります。つまり、エネルギー源がなくなると、疲労困憊の状態になり、運動が続けられなくなります。すなわち、肝グリコーゲンや筋グリコーゲンが減少すると、低血糖となって中枢性神経機能が障害され、めまいや筋力低下など、疲労度が急に増し、こうした症状に対して糖質を摂取すると回復することから、糖質摂取の必要性は明らかとなっています。
ドクター江部の糖尿病徒然日記  『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食レシピ集』刊行記念講演会in大阪Re: マラソンのカーボローディング
くうすけ さん。
糖質制限食で、持続的スタミナがつきます。
糖質制限食実践中は、
運動で少々心拍数が上昇しても、脂肪酸-ケトン体システムが、筋肉の主たるエネルギー源で
あり続けるので、筋肉中のグリコーゲンが節約できて、ラストスパートのみ
ブドウ糖-グリコーゲンシステムにすればいいわけです。
糖質制限食による折角の脂肪酸-ケトン体優位のシステムが、
カーボローディングにより、ブドウ糖-グリコーゲンシステムに
切り替わるので、筋肉中のグリコーゲンが早く消費される恐れがあります。
2011/11/25(Fri) 22:00 | URL | ドクター江部 | 【編集】
京都トレイルランナー: サプリ探求②BCAA編>食いしん坊さま
糖質制限の世界にようこそ。
マフェトン理論的には、カーボロードは不要かと思います。
私の経験から話しますと、マフェトン以前はカーボローディングに腐心してましたが、結局カーボロードしなくなっても状況が悪化することはありませんでした。むしろ、やめてもベストがでている。
一旦枯渇させるカーボローディングでは、風邪をひくなどリスクがあるし、そうでなくても体重が増えてレース時に体が重くなるなど嫌な面があります。
実際はどうかわかりませんが、糖質制限でせっかく糖質に頼らない体づくりをしているのに、カーボローディングで多量に糖質を摂取してしまうと、台無しになってしまうような気もします。
友人のパパラッチ君は、いい夕食先がみつからなかったので、夕食はアーモンドのみで、翌日の京都1周トレイルランを走りきり優勝しました。
やっぱりカーボローディングは不要なのでは?というのが私の意見です。
陸上講座~競技パフォーマンスを高め、故障しにくい身体をつくる~
「マフェトン理論」
 マフェトン理論とは、その生みの親であるフィリップ・マフェトン博士の、”競技成績の向上と、健康とを両立させることは無理なのか?””これまで常識とされているトレーニング方法では、なぜ、健康を損ない、怪我や病気で選手生命を短くしてしまうのか?”という疑問から生まれた理論です。
 マフェトン博士は、この疑問を解きあかすため、多くのスポーツ選手に対する臨床実験を行い、データを集めたのです。その際、トレーニングの指標としたのが、「心拍数」です。そして博士は、
1)心拍数の比較的低い運動(エアロビックトレーニング)を続けることによって、循環器系、関節を含めた骨格全体、筋肉、内分泌系など、身体全体が健康な状態になっていくこと。
2)エアロビックトレーニングにより発達したエアロビックシステムは、身体の全機能を正常に保つ働きをしていること。
3)エアロビックスピード(エアロビック範囲内での最大スピード)が向上してくると、健康状態を向上させながら、パフォーマンスも上げられること。
4)エアロビックシステムが発達してくると、通常なら身体に大きな負荷を与えるアネロビック(無酸素)の運動のダメージも抑えられること。
以上のようなことを、マフェトン博士は科学的に証明したのです。
 身体の筋肉は、エアロビック筋、いわゆる「遅筋繊維」とアネロビック筋、いわゆる「 速筋繊維」の2種類の筋繊維で構成されています。
(なお、筋肉についての詳しくは、次の章~筋肉のメカニズム~を参照ください)
 エアロビック筋は、主にエネルギー効率のよい脂肪をエネルギー源として使い、アネロビック筋は、糖質をエネルギー源として働いています。エアロビック筋の燃料である脂肪は体内に豊富にあるため、エアロビック筋を鍛えることにより、長時間にわたって運動できる能力「持久力」をレベルアップすることができるのです。また、体内貯蔵量が限られている糖質を節約できるため、血糖値が安定し、集中力が増すのです。さらに、エアロビック筋はアネロビック筋に比べはるかに故障しにくいことも特徴です。エアロビック筋を鍛えることは、持久系の選手だけでなく、アネロビック系「スプリント・パワー」種目の選手にも有効になってきます。アネロビック筋は、血液の供給をエアロビックシステムに依存しているため、エアロビックシステムをしっかり構築することにより、アネロビック筋の機能を最大限に引き出すことが可能となるのです。アネロビックな運動は強度が高いため、有害な活性酸素などによる筋肉などへのダメージも大きく、回復にも時間がかかってしまいます。また、糖質が消費されて血糖値が上下することにより、脳や神経系などに与えるストレスも大きくなってしまいます。エアロビックトレーニングが不足していて、エアロビック筋が鍛えられていない状態でアネロビックトレーニングを取り入れたり、大会に出たりした場合、エアロビック筋が機能せず、短時間しかもたないアネロビック筋を無理に使わざるをえなくなってしまい、ゆえに多くの選手などが怪我や病気を引き起こしてしまっているのです。
ドクター江部の糖尿病徒然日記  運動とエネルギー源③運動強度と嫌気的・好気的代謝さて今回は、運動強度とエネルギー源のお話です。
3、運動強度と嫌気的代謝・好気的代謝
陸上競技を例にすると
100m競争だと、嫌気的代謝が90%で好気的代謝が10%
400m競争だと、嫌気的代謝が70%で好気的代謝が30%、
800m競争だと、嫌気的代謝が40%で好気的代謝が60%、
1500mは、それぞれ20%と80%
10000mは、それぞれ3%と97%
42.195km(マラソン)は、それぞれ1%と99%
となります。
好気的代謝には、「脂肪酸-ケトン体システム」と「グリコーゲン-ブドウ糖システム」があります。
脂肪酸-ケトン体のシステムより、ブドウ糖システムのほうが速くエネルギー(ATP)の供給ができるので、強度が高い運動のときほど、筋肉は、ブドウ糖を使う率が増えていきます。
中長距離の場合、脂肪酸システムを上手に利用して、筋肉中のグリコーゲンを温存し、ラストスパートの時に一気にブドウ糖を燃やして高強度運動を行うのが理想的ですね。
ドクター江部の糖尿病徒然日記  運動時のエネルギー源⑤長時間の運動・追加長時間の運動とエネルギー源、なかなか難しいテーマですので、いろいろ混乱があるようです。まずは整理整頓してみましょう。
長時間の運動のごく初期の1.2分は、嫌気的代謝も利用されます。即ち、高強度の運動時と同様、筋肉細胞はまず自前で貯蔵していたATPを使います。直後にクレアチンリン酸を利用してADPからATPを再合成します。
その後、グリコーゲン分解と解糖からのATP供給が始まり、20秒くらい持続します。これらは全て嫌気的エネルギーで、供給速度が速いです。
この間徐々に脂肪と糖質の酸化的リン酸化による好気的エネルギー供給に代わります。
1.2分を過ぎてくると大部分が好気的代謝になっていきます。
嫌気的代謝と好気的代謝のどちらが主となるかは運動強度で違い、下記の如くです。
<運動強度と嫌気的代謝・好気的代謝>
100m競争だと、嫌気的代謝が90%で好気的代謝が10%
400m競争だと、嫌気的代謝が70%で好気的代謝が30%、
800m競争だと、嫌気的代謝が40%で好気的代謝が60%、
1500mは、それぞれ20%と80%
10000mは、それぞれ3%と97%
42.195km(マラソン)は、それぞれ1%と99%
好気的代謝には「脂肪酸-ケトン体システム」と「グリコーゲン-ブドウ糖システム」があります。
そして、長時間の運動(30~180分間は維持できる運動強度)であれば、筋肉は脂肪酸-ケトン体のシステムを中心に利用します。一流スポーツアスリートは、筋肉細胞中の脂肪滴は多く、また血液中の脂肪酸の利用能力も高まっています。
勿論、筋肉中のグリコーゲン-ブドウ糖のシステムを全く利用しないということではありませんし、血液中のブドウ糖も利用します。
あくまでも脂肪とブドウ糖のどちらが主エネルギー源か比率の問題です。
一般には強度の高い運動ほど、エネルギー供給速度の速いグリコーゲン-ブドウ糖システムの利用比率が増します。
この時、鍛えられたアスリートほど、ある程度の強度の運動でも、脂肪酸-ケトン体システムを上手に使いこなしますので、筋肉中のグリコーゲンを最後まで節約できます。
そして、ラストスパートで高強度の運動の時に、一気にグリコーゲン-ブドウ糖システムを全開していきます。
 ここからは、ご質問に関してお答えします。
まずインスリンですが、基礎分泌は24時間常に少量でています。一方追加分泌のインスリンは、食事(主として糖質)で血糖値が上昇した時に分泌され、それにより筋肉細胞や脂肪細胞にブドウ糖が取り込まれます。追加分泌のインスリンがなければ筋肉細胞は血液中のブドウ糖をほとんど取り込めません。
一方、運動で筋肉が収縮すると、インスリンの追加分泌がなくても、筋肉細胞は血液中のブドウ糖を取り込めます。
このように、運動によるブドウ糖取り込み促進は、インスリンとは無関係であるのが特徴です。
それから、脂肪酸-ケトン体システムが活性化しているときは、当然血液中のケトン体濃度は上昇しますが、これはインスリン基礎分泌が確保されていて生理的なのものなので、何の心配もいりません。(カテゴリーのケトン体の項をご参照くださいね)
また運動に関しては、2007.6.24、6.26のブログも参照していただけば幸いです。
なお、空腹時には、筋肉などほとんどの組織は、エネルギー源として脂肪酸-ケトン体システムを主として利用します。空腹時の血中へのブドウ糖供給源は、肝臓でのグリコーゲン分解から糖新生が中心となり、脳.赤血球などで利用します。
運動を長時間していての低血糖は、肝臓の糖新生が間に合わないときに発生すると考えられます。

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