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あなたの知らない「男性更年期の世界」――男性ホルモン回復には筋トレと食事・リラックスが重要。そのやり方を全部伝授| nikkei BPnet 〈日経BPネット〉 前編では、男性ホルモン「テストステロン」の低下が性的な問題ばかりでなく、男性更年期を招き、生活習慣病のリスクを高め、心の健康にも影響を及ぼすことについて聞いた。
仮に男性更年期になってしまったら、泌尿器科でテストステロン補充療法を受ければ、諸々の症状は解消する。しかし、それだけでは治癒したことにならない。大切なのは、健康リテラシーを高め、社会の中での自分の立ち位置、家族と自分の絆を見直し、生活習慣そのものを改善することなのだ。
そうしたホルモン力を上げるノウハウ全般について、帝京大学病院の堀江重郎教授に聞いた。
なお、男性更年期の実態については、精神科医の和田秀樹氏にもインタビューを敢行した。前編『あなたの知らない「男性更年期の世界」――いつか来る更年期に備え「幸せ解決」を図るには』では、老化の意味とそれを乗り切る基本的な考え方を聞いた。後編『「男性更年期」「老化」を乗り切る食事・生活そして「セックス」』では、男性更年期を賢く乗り切る生活習慣術について語っていただいた。併せて参考にしてほしい。
これまで男性ホルモンの話をしてきたが、もうひとつ体の老化を示す重要なバイオマーカーがある。それは「酸化ストレス」だ。
これは、大気中の酸素よりも活性化された酸素が体内で起こる反応をいう。酸化ストレスは、体の細胞、とりわけ血管にダメージを与え、動脈硬化を引き起こす。この酸化ストレスは年齢とともに増える。それ以外にも、高血糖、肥満、高血圧、交感神経の持続的な緊張により活性酸素は多くなる。そして何より重要なのは、テストステロンが減少すると酸化ストレスが増大することだ。
活性酸素を減らすにはどうするか。活性酸素はご飯を食べると出てくる。ご飯を食べる量を減らせば基本的に減少する。だからバランス良く腹8分目が大事と言える。
あなたの体がどれだけ活性酸素によって錆びているかを簡単に診断する方法がある。それは朝起きたときの朝立ちがあるかどうかだ。毎日勃起している人は錆びていない。これが40－50代でひと月に1回もないとすると、病気と言わざるを得ない。
まとめると、男性のアンチエイジングは男性ホルモンを保つことと、酸化ストレスを防ぐことに尽きる。
そのためには、運動することと適切な食事をすることだ。私は男性ホルモン、酸化ストレスを測定しながら、運動、食事、メンタルストレスをケアしていくのが良いのではないかと考えている。そのためには、ここまで述べてきた健康医学について、大きなメカニズムを知る、つまり長寿リテラシーを持つことが大切だ。
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