東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)第10回公開シンポジウム

第10回公開シンポジウム 東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)
寄付研究部門「空間情報社会研究イニシアティブ」
真の流通を目指せ
サービスイノベーションを支える社会基盤情報の流通
ITSJapan「次世代デジタル道路情報委員会」シンポジウム共催

iフォーラム

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Ustream中継:http://www.ustream.tv/channel/csis-i10

10:00~17:30 平成22年7月27日(火) 東京大学駒場第二キャンパス An棟2階コンベンションホール(AC電源が各席に配置されている。無線LANも用意してあるようだ。なお、このメモはBIBLOにて記述、AC電源と無線LANがとても助かるのだ。これが、どこでも、だれでも、になるのは何時のことだろうか。)
司会 山田
主催挨拶 遅刻のため聞けず。(渋谷駅で井の頭線を探すのに手間取ったため)
来賓挨拶 国土交通省、経済産業省製造産業局自動車課ITS推進室長 警察庁交通局交通規制課交通管制技術室長彦坂正人 国土交通省国土技術政策総合研究所高度情報化研究センター

講演「地理空間情報流通実験コンソーシアムの活動について」東京大学空間情報科学研究センター 特任准教授 関本義秀 
背景 ITS発展 基礎的情報(道路購買とか曲率など)は必要 情報化施行(ロボットによる)には詳細の設計データが必要。ボーリングによるデータも大事なデータ。 森林情報など行政は持っているものがある。
しかしデータの入手はまだまだ大変 直接施設管理者に聞かざるを得ないのが実情 その問い合わせるためのコストが大きい。 施設管理者側でも情報提供の取組もあるが、バラバラであるし、網羅性と定期性に課題があり、情報収集に時間がかかる。とくに、国土情報、公共施設等、パブリックな情報について国、自治体など管理者が保有する情報を有効活用したい。 これがコンソーシアムの目指すもの。
実験システム  ポータルサイトだけでなく、生データをダウンロードできる。

「地図データベースの構築と利活用について」ゼンリン 津留義信
1 地図データベースの構築 調査からデータベース化まで
1)ゼンリンの住宅地図 別府で創業 別府の観光案内がはじまり。観光案内に住宅地図を付けたのが好評で、そらがはじまりになった。
2)ゼンリンの地図情報 住宅地図、市街図、道路地図、広域図
3)ゼンリンの歩み 1948年 善隣出版社として創業。住宅地図帳で全国展開。1984年住宅地図のデータベース化を確立。1990年カーナビゲーション用地図データの提供開始。海外展開、歩行者、3D。
4)地図データベースの汎用性と信頼性 年間延べ28万人の調査。編集。入力
5)地図データベース 
2 地図データベースの地活用
小笠原諸島などの一部島嶼を除いて全国を網羅。都市部は毎年更新、その他は2~3年ごとに更新。
3D 独自開発した計測機器を搭載した専用車両で、自動車や歩行者の視点からデータ収集 リアルな形状モデルで極めて高解像度のテクスチャ画像。歩行者。新たなデバイスへの展開。
3 今後の課題と展望
移動支援(勾配の少ないルートを案内、日照率の高いルート、死角の事前警告、など)
行動支援(最寄りのトイレ案内、高齢者にも負担の少ないルート案内、など)
地域支援(衣装・行政サービス、地方の歴史・特色、イベント・サークル、店舗・商店街など、地域と消費者をつなぐ知・時空間情報の提供により、地域の活性化をサポート。
知・時空間情報のインフォーメーション・デザイナーとして 経年変化情報、2次元三次元の実世界情報 ライブラリー化し、いつでも、どこでも、だれにでも活用できる次世代データベースの実現を目指す。

「東京ガスにおけるGIS活用事例」 東京ガス 導管企画部 導管技術企画グループ 小坪宏則
1970年代からGIS活用開始。社外での活用はできていないが、社内での活用は進む。
導管とはパイプラインのこと。お客様は約1千万件。導管延長約5.8万km
LNGの供給元を複数にして安定供給とコスト削減に取り組んでいる。
道路上まで、本支管から供給管に。お客様の敷地に入り、内管で屋内のガス栓までガス会社が工事施工。
新しいお客に対して、供給が可能かどうかを検討するシステム。
工事で導管を切断するケースで、その影響を検討するシステム。

「次世代デジタル道路情報委員会の活動について」ITSジャパン 次世代デジタル道路情報委員会委員長 浜田隆彦
走行支援サービスを行うために道路情報に求められるものは何か。
日常的利用で通常に走行する際の道路情報の提供=走行支援サービス。ナビゲーションサービスは非日常的利用である。
走行支援サービスを具体化するためには、地図データに新たな役割と要件が必要。
地図データの要件を満たすため、2つの共通基盤を提案。道路の共通位置参照方式、高精度地図。
従来はノードとリンクで位置を参照していたが、路線と路上参照点を用いて道路上の位置を特定する方式。
道路ネットワークの抽象化 2条線の1条線化、交差点ノードの縮退。
ユニークでパーマネントなIDが設定されるオーソリティテーブルによる。
周辺情報は、実空間の情報として提供される。実空間を管理できる高精度な地図データ。道路詳細図は必要とする箇所のみ整備。

「道路共通位置参照方式と道路基盤地図情報について」 国土技術政策総合研究所 高度情報化研究センター情報基盤研究室長 遠藤和重
道路基盤地図情報とは 道路構造を表現する大縮尺(千分の1)のGISデータ。
CADデータを電子納入してもらって、それを元にしている。
海外の動向
「道路の共通位置参照方式検討の目的と進捗状況」
路線ID22583を路上参照点ID85283から+350m左側 などと参照する。

「デジタル道路地図協会の取り組み」 日本デジタル道路地図協会 企画調査部長 石田稔
高度DRM-DBの検討 
市街地高さんの高度DRM-DB 交差点に差し掛かり、入口ノードに入ると高度デジタル道路地図に移り、それを出るとまた元に戻る。高度デジタル道路地図では、車線ごとに、通行属性(どちらに侵入できるかなど)車線境界促成、Uターン属性、速度規制、構造属性などが入る縮尺五百分の一から千分の一の地図。
郊外部高さデータの整備。

「KIWI4.0研究会の活動について」 Kiwi-W コンソーシアム KIWI4.0研究会 リーダー 浜田隆彦
カーナビ用地図ディスクの格納フォーマットであるKIWIフォーマットの標準化うぃ推進するための組織がKiwiーWコンソーシアム。鳥のキウイにちなむ、最初の会議がニュージーランドで行われた。
地図表示の処理を高速化する工夫がなされている。経路探索も高速化するため、階層的に情報保有。
地図データの更新と配信
LDM(Local Dynamic Map)高精細地図 自車位置の把握、多車位置の把握。 必要な場所でだけ高精細の地図。

「ISO/TC204/WG3の国際標準化活動について」 ISO/TC204/WG3 SWG3.2 コンビーナ 田中秀男(パイオニア)
1国際標準化の体制 
2 ISO/TC204/WG3の活動
3欧州の動向
4今後の活動

「iフォーラムの取り組み」:道路空間上の移動体に対する防災・災害情報の伝達手法に関する研究
iフォーラム会長 須藤三十三
モバイル端末での位置情報の活用 iフォーラム
移動体への防災・災害情報の伝達が課題 ケータイやカーナビへ、今そこで必要とする情報を、全国どくでも提供するサービスとして(マスメディアでなく)マイクロメディアの実現を目指す。
気象庁防災情報XMLフォーマットVer.1.0 
http://www.i-forum.jp/ で報告書公開中

パネルディスカッション

話題提供 道路管理者保有データの活用 阪神高速道路株式会社 保全交通部保全企画課 課長 加賀山泰一
事故はたまに来る運転者が多い。
標識位置図、路面標識図、高架下現況図、土木建築施設図、事故多発マップ、渋滞状況図、工事予定箇所図、落下物多発マップ、

話題提供 必要な人に必要な情報の提供を目指して ~きめ細かい防災情報~ 気象庁総務部民間事業振興課課長補佐 板井秀泰
局所的豪雨、ゲリラ豪雨による局地的な大雨災害。車は水の中を走れるようになっていない。
短時間強雨の発生回数は増加傾向がある。北日本でも降る。
伝達手段があれば、もっときめ細かい気象情報を出したい。放送では市町村単位の細かな情報が? ケータイでの伝達はいまだし。
気象庁防災上XMLフォーマット http://xml.kishou.go.jp/ 平成21年5月 仕様公開 平成22年度松にXML電文の提供を開始
モバイル端末+モバイル位置情報 いつどこにいても安全安心情報が手に入る時代へ パーソナリズした安全安心情報の得られる時代がすぐそこまで来ている

パネルディスカッションコーディネータ 柴崎亮介教授 東京大学空間情報科学研究センター
・標準化がビジネスにならない? 関本
・昔はゆっくりしていたが、今は参画する人が増えてジレンマ。浜田
・早く共通位置参照方式をしないとね。 高速道路上の標識はキロポストで、これは正確なはず。
・気象情報とメッシュとの関係は? 国土数値情報の三次メッシュに合わせて気象情報を作っているところ。概ね1キロ。レーダーだから、細かくはない。危ない地点はあらかじめ分かると思うので、そこに活用して欲しい。
・基盤のものは標準化してほしい。ユニークなものを個別の企業がやるべき。同じものをみんながやる無駄は繰り返したくない。
・プローブ情報を活用すると巨大なデータベースになる。色んな活用が可能。日本より外国が盛ん。渋滞緩和の様子は従来は前後でそのために交通量調査などしていたが、プローブを活用できそう。
・ゼンリンは高速と主要道は工事後に計測車両で標高など図っている。ビジネスでは、かつてナビ研フォーマットで一時は統一したが、各社独自データを付けて、今はナビ研のは無くなっている。
・WMO ぐりっぐ、ばっふぁ、など気象データの標準的使い方。知っている人は少ないか。

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