これからの電子政府・電子自治体シンポジウム

これからの電子政府・電子自治体シンポジウム 2010・5・19東大安田講堂

辻井重男
・普遍から個別へ
・公的個人認証の中身は署名で、名前と違っている。日本は普及率低い、韓国は国民の半数の二千万人。自分の情報を自分が管理できる番号とするべき。自分であることの証明が認証。
・自由の拡大、安全性向上、プライバシー保護の三つを止揚。
・セクトラルモデル(サービスごとに異なるID番号)。横浜国大の松本先生の94年頃発表の依頼計算、隠したままで処理。ゼロ知識証明、準同型暗号を使って可能。

韓国の事情
・高齢者ー韓国の国民性とか特殊事情でうまくいったというものではない、と感じた。やる気があったからではないか。
・電子投票ー段階を踏んで、投票所から、駅とか集会所から、どこからでも。今は、正当の予備選で使われる段階。住民票カードと諮問などで本人確認し、投票者に投票内容は印刷して渡す。
・ソウル市江南区ー電子政府。ケーブルTV会社が話を持ち込んで、TVにリモコンで使う形を導入した。直接民主主義を目指す。
・質問 プライバシーへの懸念はどうだったか。 回答 住民のため、行政の情報化で効率を上げる必要性に97年の経済危機で迫られた。役所同士で共有することは個人情報外部流出を防止する。役所での操作ログが住民に送られるのでチェックできる。

ユムソンジョン 廉 宗淳 e-corporation.jp代表取締役社長
・OECD諸国で学校の先生にパソコンを配布していないのは、日本だけだろう。生徒に選挙権がないからか。
・なぜ韓国なのか? 制度の元が日本になっておる、占領のため、印鑑証明があるのは日本と韓国。住民登録表、不動産登記、6・3・3・4の学制、年末調整など。だから日本に参考になる。
・世界電子政府ランキング(国連)韓国一位。日本は枠外。
・行政サービスの5段階 住民業。紙をコピー、ワープロ、自動交付機で印刷、自宅で印刷、役所のコンピュータ同士でやれば出さなくていい。韓国はこの5つめ。行政業務電算化が3まで、役所が楽になる、その上が電子自治体。
・電子政府法 国民に証明書などを提出させてはならない。
・自分が使わずに人に使わせるのはおかしい。だからITをイットという人があったのではないか。デジタル国会。閣議でも全員にパソコン。国立デジタル図書館。
・韓国ではYAHOOなどから直接申請ができる。
・実例 兵役免除手続きが総務省と防衛省でデータ連携。転入届け出がインターネットで日本から出来、同時に関連の手続きも出来る。ネットで大学の証明書を出せる。
・テレビ電子政府。地域情報開発院っで多くのシステムをまとめている。ここで監視もする。政府第一統合電算センターで48省庁のシステム集中管理(各省庁の電算部門を全部まとめた)。
・住基カードを、自分は不便だから持たないと、住基カードの責任者の先生が言ったというのは有名な話。

大韓民国 国税庁 インターネット国税サービス
・韓国の国税システムが進んでいるのは国民が認識している。
・国税庁インターネットサービスの沿革
国税統合システム1997 ホームタックス2002 現金領収書2005 年末調整簡素化2006 など
・HomeTax推進背景 税務行政の効率向上など
・2002 簡単な税の電子申告化
・2004 複雑な税の電子申告化 証明書インターネットk発行
・2006 申告納付紹介サービス
・HomeTax加入は 公的個人認証を利用、ない場合は臨時加入番号発送
・電子申告
・電子民願(国民が役所に希望すること)登録証明など
・電子告知 メールなどで納税者に告知
・電子納付
・HomeTax 2009。12月 1120万人 利用率は80から90パーセントなど。
・インセンティブ 納税者に税額控除2万ウォンなど。代理人にも、税務署にも。年末調整の簡素化、納税者が各証明書を集めなくてもシステムが集めるなど。
・税収増加率がGNP増加率よりも高く延びた。
(質問)政府を信用するか? 回答 日本人はおとなしい、戦わない。韓国はすぐ騒ぐ。インセンティブがあるからする。政府に従うというのではない。
()所得が捕捉されるのはどうしているか? 回答 添付書類は簡素化した。年末に国税庁のサイトに入ると自分の申告書が出来ていて、それを確認するというイメージ。控除の書類は各社から国税庁に出されている。
()引っ越し時の届け。ほかの公共サービスとの連携は 回答 まだ。 連携の実証実験の話が日本であるようだが、できないことはやめた方がいい。

副長官補付 参事官 小宮義則 新たな情報通信技術戦略について
・地球温暖化とITを担当の参事官 
・今年の5・11に策定した新たな戦略 2001年にIT基本法制定 IT戦略本部 という経緯
・日本は、情報通信基盤は世界一、利活用が課題。世界的に新しい戦略を各国が策定している。
・今までは積み上げ方式だった。国民主導に変える。情報主権。情報自己コントロール権。
・2013年度までに国民ID制度の整備。プッシュ型サービス。ワンストップサービス。データ連携。相互認証サービス。
・オープンガバメント 行政情報の積極的公開、情報の二次利用。

総務省地域力創造グループ 地域情報政策室長 高地恵輔
電子自治体の現状と課題
・業務の電子化は一定の進展を見ているが問題も残る。利便性の向上、コストの圧縮、情報セキュリティの確保。地域を元気にする便利な御製サービスの提供、無駄のない電子自治体の実現。
・オンライン申請サポート事業

フラッシュトーク
・老テク研究会会長 大島真理子 介護と電子自治体は大いに関係する。介護保険も障害者手帳も全て自ら申請する必要がある。自分で情報を管理しないといけない。
60以上になると自分で確定申告、申告時期の税務署はあびきょうかん。電子自治体に大いに期待。
・子供が産まれて分かったこと。週に30万円の新生児集中治療質利用料、これの援助を受けられるらしい、が手続きが複雑。 複雑な理由、国と自治体のサービスが混在、調べないと分からない、管轄部署別でニーズ別でない。運がよければ受けられるとか、調べれば分かる、でいいのか?
・後期高齢・独居老人からも言わせてください。高齢者に電子政府が大事、家から一歩も出ずに手続きが出来る。現在のe-taxとe-govは大変手間がかかります。電子証明書が3年で失効、パスワードは3年以内に変更しないおログ院できない。簡単ではありません。宣伝で言う、電子申請は簡単、というのを聞くとむかつく。若宮 メロウ倶楽部

内藤正光 総務省副大臣 NTT出身。東大で物理を勉強したが、安田講堂に入ったのは初めて。
政治が本来果たすべきことを果たしてなかったから、省庁縦割りに落ち込んだ。政治主導への切り替えた。IT戦略本部の下に副大臣級の会議を置いた。その結果が今回の戦略。国民本意の電子行政。地域を支えるICT(遠隔診断など、銀座の先生が遠野市のお年寄りを定期的に光ファイ場を介して診断)。
・行政刷新。見える化。オープン化。
・そのインフラとして国民ID導入。国民が政府をチェックするためのインフラです。自分の情報を見えるように。
・光の基盤を使って、共通のシステムを自治体で使えるように。クラウドに。インセンティブが今はないので、工夫する。

シンポジウム
モデレーター IT戦略本部電子政府評価委員会座長 東大大学院情報学環教授 須藤修 
NTT副社長 宇治則孝 
衆議院議員 岸本周平 
日経新聞 関口和一 
神奈川県議 松崎淳 
イーコポレーションドットジェーピー代表 廉宋淳

(NTT)インフラは日本は進んでいるが、行政、医療、教育の利活用が弱い。
・浦添市での総合行政システムが構築中。
(岸本)財務省出身。電子政府の仕事も。和歌山から5年前に出馬。電子政府の状況は10年前から変わっていない。その原因は、日本の役人の能力が足らない。システム制度ができていない。仕事を変えていく気がない。電子申請でも手続きをいっさい変えていない。未だに病名が統一されていないしフォントも統一されていない。大ベンダーの寡占。発注側にリテラシーがない。各省ごとにCIO作ってしまって機能していない。いい電子政府を作りたい。
(日経)クラウド時代の電子政府戦略。国民ID。光の道。日本の情報化の課題(ガラパゴス現象、個人情報保護アレルギー、著作権過保護体質)。安全でも不安な不思議な国。日本の情報化を阻む三角形(政府・行政、大学・教育、マスコミ)。IT担当大臣は10年で14人交代。海外で新しいIT戦略。
(松崎)早稲田出身。議員秘書も経験。シンガポール、フィンランドにも行った、韓国も。高齢化を見据えて立ち向かうのがポイント。国そのものが無くなる危機感がある。我が国が進まない原因に、この高齢化社会への意識の少なさと危機感の無さがある。情報革命が必要。利用者本意というのが、発注者とベンダにあるか。神奈川県は一時は先頭を走っていた。財政が厳しくなった時期に変わり、ぎりぎりでやるようになり、元気がなくなった。ベンダに牛耳られて、独占が続く。教育の関係で、特定ベンダの言葉が仕様にあり、それの開示がされず特定ベンダがやる結果に。
(ヨム)日本と韓国の橋渡し。日立情報でプログラミングを学んだ。
(須藤)二年前に日韓電子行政のイベントしたが、その際の韓国側の金教授が、「レベルが違うよ」、しゃくにさわったが事実と思った。日本では各原課が強く、変えられない、これではいけない。
(岸本)トヨタにもいたが、民間は随意契約。それが効率がいい、ただし、英国などではそれを情報公開している。電波オークションがまだできていない。できる人にやってもらうのもある。
(関口)孫さんの光の道の話の中で、教科書の電子化の話。これは行政に当てはめるのがいい。例えばスケジュール調整で、霞ヶ関の中での情報調整ができない。これが課題。米国で調達を横断的に行う部門がある。これは標準化と効率的調達の手法だろう。
(松崎)あるべき姿としての韓国は、かんなむくでは数百名の人員削減で配置転換している。マイクロソフトはいろんな社会貢献もやる、このような姿勢も大事。日本のベンダにもそのような戦略が欲しい。それが日本のガラパゴス化の対策で、それの国家戦略が欲しい。それが政府のやるべきこと。
(ヨム)大統領のこと、リーダーシップ。キムデジュンさんはITに無知で、自分が無知なことを知っているので、専門家を登用してまかせた。ノムヒョンさんは自分でプログラム書ける。閣議で利用率を追求した。教育で、2002年に全校にLAN,パソコン、を配備。しかし、一年後見ると、箱も開けてないパソコンがそのまま倉庫にあった。修理費が心配、使い道が分からない。それの反省を担当者から聞いた。

国民IDの話。個人情報との関わり。
(宇治)情報により守るレベルを違えて、活用すべき。日本は規制が大変多い。
(岸本)見せるプライバシーが大事。
(関口)B2Bではサービスレベルアグリーメントで、B2Pでも契約。情報の流れを止めないで使うこと。
(松崎)USBで自宅で仕事をやめること。重要度に応じて3段階に分けて、つかう。
(よむ)虫を殺すのに家を燃やす、ということわざがある。避けて通れないので、きちんと国民を説得すること。犯罪を減らすのに警察を増やせば犯罪は減る。しかし、バランスが大事。

NPO法人 きたむら 閉会挨拶

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