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ドクター江部の糖尿病徒然日記  日本糖尿病学会への提言(1)。糖尿病専門医には説明義務がある。結論として糖尿病専門医は糖尿病患者さんに対し、倫理的にも以下の説明義務があると思います。

1)カロリー制限食(高糖質食)は1969年の食品交換表(改訂第2版)以降、日本で、糖尿病患者さんに推奨してきた唯一の食事療法で、長い臨床経験がある。しかし、長期的安全性や有効性に関しては、エビデンスはない。

そして血糖値を上げるのは糖質だけなので、カロリー制限食は、短期的には、平均血糖変動幅の増大と食後高血糖を生じる可能性が極めて高い。

2)糖質制限食は、日本では1999年以降の新しい食事療法であり、臨床経験はまだ短い。
  糖質制限食にも、長期的安全性と有効性のエビデンスはない。
  一方、短期的には平均血糖変動幅の増大と食後高血糖を生じない、唯一の食事療法である。

3)平均血糖変動幅の増大と食後高血糖が酸化ストレスのリスクとなることにはエビデンスがある。

4)酸化ストレスは、動脈硬化や老化や癌、パーキンソン病やアルツハイマー病や認知症、糖尿病合併症にも深く関わっている。

1)2)3)4)を糖尿病患者さんにきっちり説明したうえで、あなたはどちらを選択しますかというスタンスが必要だと思います。

少なくとも説明して選択肢を与えることなく、糖尿病専門医が一方的にカロリー制限食を患者さんに押しつけることは、倫理的に問題があります。

一方的にカロリー制限食を糖尿病患者さんに押しつけて、毎日、平均血糖変動幅の増大と食後高血糖を起こして、
将来合併症が発症して、失明や透析となった場合は、当該の糖尿病専門医はどのように責任をとるおつもりなのでしょうか。


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