書評続き

残る本への感想の続き。9番目と10番目は、借りるのでなくって、購入手続き中。もっと精読した後で感想を書くのがいいと思っています。でもとりあえず、です。

8 リックテレコム 子どもとケータイ Q&Aで学ぶ正しいつきあい方 監修 モバイル社会研究所 著者 遊橋裕泰・宮島理・他 2008年7月16日第1版第1刷発行
(1) モバイル社会研究所はNTTドコモの社会科学系研究所。
(2) ケータイの良い面も悪い面も説明し、トラブルに巻き込まれない使い方を解説している。親子で学ぶための、実用的な質疑応答形式である。
(3) 携帯電話事業者の立場から、ケータイをいたずらに怖がらないで使ってもらうことを目指している。やや、こうしましょう、と高みから教える態度のように思う点もあるが、それを我慢すれば実用的なテキストとしても使えるかもしれない。お勧め度は、プラスマイナスゼロぐらい。

9 PHP新書 537 ネットいじめ ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」 著者 荻上チキ
(1) 荻上氏は、批評家、ブロガー。著書に「ウェブ炎上」など。思想メールマガジン「αシノドス」を芹沢氏と共宰。1981年生まれ。成城大(文芸)卒。東大院修士修了。メディア論が専門。
(2) (もっと後で書きます。)
(3) 注目されるのは、学校裏サイトという言い方を、学校勝手サイトとしていること。そして、キャラ戦争という見方だろうと思われる。学校勝手サイトの実態に迫る分析をして、裏という否定的な見方でなく、より中立的な勝手と見方を修正している。その過程で、下田教授の論説を「間違いだらけの」と批判している。本書で指摘している、下田教授のネットリテラシーへの疑問は正しいと思われる。また、ケータイへの対応を深めようとする著者の態度も正しいと思われる。

10 北大路書房 ケータイのある風景 テクノロジーの日常化を考える 編者 松田美佐 岡部大介 伊藤瑞子 2006年10月10日初版第1刷発行
(1) 松田氏は、「ケータイ学入門」有斐閣(岡田朋之との共編著)などの著書がある中央大文学部助教授。本書はMIT PRESSで2005年に発行した 、伊藤、岡部、松田 編集のPersonal,Portable,Pedestrian:Mobile Phones in Japanese Life の日本語版という位置づけであるが、単なる翻訳ではなく、社会文化的状況を踏まえたケータイ研究の書である。
(2) (もっと後で書きます。)
(3) (私の意見では携帯電話は携帯であり、PHSはPHSなのであるが、)「携帯電話とPHSをあわせてケータイと表記」(本書の序文から)、という業界での使い方を本書でもしっかりと記述している。正確な記述をしている点が、さすがに学術書にふさわしい態度と私は感心した(まあ、他の書籍でいいかげんな定義付けが溢れすぎているのであるが)。そのようなケータイが、メールやネットなどの機能を含むように拡大解釈されてきた、というのが歴史的経緯であると、私は思うし、本書もそれを示している。ケータイ研究には必読書かもしれない。

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