年金問い合わせと「学校裏サイト」下田教授の評価といつものlink

先日申し込んでいた、年金のデータベースからの回答を得るためのIDとパスワード到着しました。
とんでもないコストがかかっていると思います。

それはさておき、
ネットいじめ ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」 荻上チキ著 PHP新書 2008.7.29
で次のように下田教授の批判があります
第2章学校勝手サイトの真実

下田はここ数年、「学校裏サイト」の問題にて中心的に発言していた人物であり、その証言やデータなどは多くのメディアによって採用され、学校勝手サイトに関するイメージや論調の形成に強い影響を持っていた。
しかし、実際には下田の議論には多くの誤りが含まれており、その誤りが指摘されることのないまま、多くのメディアに鵜呑みにされてしまっており、
(略)」
下田教授が著書の「学校裏サイト」において「中心的役割をはたしている」と紹介している「全国学校サイトランク」が、アクセス数の少なさなどから、中心的というにはあまりにか細いサイトでしかないことを示し。
「このほか、下田の言説には基本的な誤りや勝手な推測、誇張的な煽りが多いのだが」
と、批判している。

現在のところ私も同感であり、下田教授は、インターネットなどのメディアを専門的に論ずるほどにはネットをご存知ではない、と思われる。
その実例を下田教授の著書の「学校裏サイト」から私も指摘すると、次の事柄が挙げられる。「ダイレクトリンク」という用語を、ネット用語としては不適切に解説しているものがある。私も著書(「学校闇サイト」)中でこの用語を見かけて、私の知る意味とかなり違う意味でお使いなので驚いたのであるが、これは下田教授の誤解と言わざるを得ない。

下田教授の著書からの引用
下田博次著 学校裏サイト ケータイ無法地帯から子どもを救う方法 東洋経済新報社 2008.4.10発行
p199 第7章 学校裏サイトから考える課題と対応策」から引用

 例えば米国では「インターネットには『ダイレクトリンク』(ダイレクト・コミュニケーションともいう)というメディア機能
があるから、子どもに使わせるときには注意しよう」という常識がある。ダイレクトリンクというのは、とくに思春期の子どもの成長に要注意の機能で、インターネット上の有害情報を保護者や教師の頭越しに直接子どもに届けてしまうメディアのサービス機能のことをいう。

以上引用

しかし、一般的なネット用語は次のようになっている。
IT用語辞典 e-Words によれば
ダイレクトリンク 【直リンク】
Webサイト内の個別のページやファイルに向けて直に貼られるハイパーリンク。サイトによっては他サイトからの個別ページへの直リンクを禁止している場合がある。

ダイレクトコミュニケーション     直接行うコミュニケーション、意志疎通。(Direct Communication) マーケティングにおいて、顧客と直接対話することによって双方向の情報交換を可能にすること。その情報は、企業の活動にフィードバックされる。また、社内のコミュニケーションとして、社長と社員がEメールなどを使って、直接やり取りすることをいうこともある。

つまり、一般的なネット用語を、あたかも特殊な意味があるかのごとく下田教授が解説しているのが、
違っているだろうということである。このような言説は特にネット専門家から反発を受けることになる。
ここで下田教授の言うのはローカルな家庭の親などをバイパスしてしまうような意味を持たせるのだと思われるが、実際には違い、リモートのネット上のサイトの中の玄関口からでなく直接に倉庫の中にバイパスするような意味が一般的意味である。このような意味の言い違えは、意図があるとすれば悪質であるし、意図がないとすれば軽薄である。

その他、本書全体の議論も論拠を十分に示さずに進めている印象が強い。

私も下田教授がいくつか紹介されている闇サイト関連のサイトの確認を試みたのであったが、このようなサイトは、生モノというか、すぐに消えて無くなるものでもあり、多くのサイトは既に消えていたため、確認できなかった。
見られると困るサイトであればあるほど、すぐに消える、ということは、ネット上での常識であり、消えてしまっても証拠として残す対策も各種ある。それを、下田教授は(サイトの中で「RANK」と記述すべきところを「ランク」としているなど)リンクさえ正確には示さず(多少ネットを知っている者から見れば、故意に見るのを邪魔をする行為と言われてもしかたないレベルの話である)、消えてしまって確認できなくなる事態への対処もせず、という態度が、ネット関係のリテラシーを説く(著者は「ケータイリテラシー」の著者でもあるからリテラシーが本人として持ってないとは言えないでしょう)人として、あるまじきことであると、私は思う。

以上のことから、下田教授の言説を取り上げるのは、慎重であるべきと考える。
(岡田先生もだし、下田先生もなら、他に誰が居ますか?というのが問題ではありますね。)

それもさておき、
今日のリンク
social web rambling

キャズムを超えろ!

TechCrunch Japanese

カテゴリー: 日記 パーマリンク