言語習得理論

秋スクーリング 4期H郡 12月9,10,16,17日
メディア授業 10月31日開始
、 学習報告書
■メディア授業学修報告書 課題
(課題)「なぜ学習者の誤用は重要だと考えられているのか説明しなさい。」「普遍文法理論の主張とその根拠について説明しなさい。」以上の2つについてレポートを作成してください。

※テキスト学習の方は上記のメディア授業学修報告書を作成する必要はありません。
■メディア授業学修報告書 提出条件
提出方法
: 直接入力
報告書の文字数
: 字数指定なし(システム上5,000文字まで)
報告書案
(課題)「なぜ学習者の誤用は重要だと考えられているのか説明しなさい。」
 1960年代からイギリスの言語学者コーダーによって、誤用の重要性が主張された。それ以前のオーディオ・リンガル法や対照分析研究では、「誤用は排除すべきものである」、「誤用は、母語と目標言語の違いから生まれる」と考えられていたが、コーダーは、「誤用は決して悪いものではなく、必然的に出てくるものであり、研究者と学習者と教師にとって重要である」とした。
 研究者にとっては、学習者の誤用の産出は学習者の学習困難点を探すことにつながり、誤用の変化は習得過程の解明につながり、誤用は「なぜ、そう言えないのか」「なぜ、そう間違えるのか」からその言語の規則解明につながるもので、誤用は重要である。
 学習者自身にとっては、学習者自身が立てた目標言語のルールの仮説を検証していることの証しであり、誤用を産出しながら習得を促進しているもので、誤用が重要である。
 教師にとっては、誤用によって学習者の現在地(何が分かって、何が分かっていないか)と、誤用原因の推測、そしてその対処の仕方、治療法、さらに予防法まで考えることができるので、誤用は重要である。

(課題)「普遍文法理論の主張とその根拠について説明しなさい。」
 普遍文法理論は、1960年代にチョムスキーが母語の習得に関して提唱した理論である。それ以前の行動主義心理学や構造言語学では「刺激と反応の繰り返しによって習慣が形成され、それが学習を生む」という考え方であり、外からの刺激、インプットが習得に直接結びつく要因だと考えられていた。しかし、チョムスキーは、英語圏において親からのインプットに含まれない誤用を子供が産出するとの研究から、従来の刺激と反応という考え方を否定し、人間の生得的に備わっている言語獲得装置すなわち普遍文法によって言語が習得されると考えた。
 普遍文法理論の根拠については、まずは「刺激の貧困性」があげられる。それは、学習者である幼児が接触する入力データには、言語習得に必要で十分な情報はないし、それを補充するための「否定的証拠」が与えられていない、という問題である。更に、幼児の周囲の親たちは、正確な文章を話すことは期待できず、幼児の学習用としては決して質がよくない、という問題もある。したがって、量の面でも質の面でも「不十分な刺激」から幼児が言語体系を習得するのは困難であるとし、幼児や言語学習者においては生得的に言語獲得装置が存在し、その言語特性が作用して学習が可能になるとチョムスキーは唱え、この言語特性を普遍文法と呼んだ。
 普遍文法理論では、さまざまな言語を習得する発達について、パラメータの考え方で説明している。最初はどの幼児も普遍原理と未設定のパラメータという状態であるが、親の言葉に触れることでパラメータが設定されていき、その後もさまざまな細かい規則が習得される段階をヘて個別の言語が習得されると考える。
1086文字
以下の内容で提出しました。
Q.1
(課題)
「なぜ学習者の誤用は重要だと考えられているのか説明しなさい。」
「普遍文法理論の主張とその根拠について説明しなさい。」
以上の2つについてレポートを作成してください。※テキスト学習の方は上記のメディア授業学修報告書を作成する必要はありません。
提出方法:直接入力
文字数:字数指定なし(システム上5000文字まで)
1: 1.なぜ学習者の誤用は重要だと考えられているかを説明する。
2:  1960年代からイギリスの言語学者コーダーによって、誤用の重要性が主張された。
3: それ以前のオーディオ・リンガル法や対照分析研究では、「誤用は排除すべきものである」
4: 、「誤用は、母語と目標言語の違いから生まれる」と考えられていたが、コーダーは、「
5: 誤用は決して悪いものではなく、必然的に出てくるものであり、研究者と学習者と教師に
6: とって重要である」とした。
7:  研究者にとっては、学習者の誤用の産出は、学習者の学習困難点を探すことにつながり、
8: 誤用の変化は、習得過程の解明につながり、誤用は「なぜ、そう言えないのか」「なぜ、
9: そう間違えるのか」から、その言語の規則解明につながるもので、誤用は重要である。
10:  学習者自身にとっては、学習者自身が立てた目標言語のルールの仮説を検証しているこ
11: との証であり、誤用を産出しながら習得を促進しているもので、誤用が重要である。
12:  教師にとっては、誤用によって学習者の現在地(何が分かって、何が分かっていないか)
13: と、誤用原因の推測、そしてその対処の仕方、治療法、さらに予防法まで考えることがで
14: きるので、誤用は重要である。
15:
16: 2.普遍文法理論の主張とその根拠について説明する。
17:  普遍文法理論は、1960年代にチョムスキーが、母語の習得に関して提唱した理論で
18: ある。それ以前の行動主義心理学や構造言語学では「刺激と反応の繰り返しによって習慣
19: が形成され、それが学習を生む」という考え方であり、外からの刺激、インプットが習得
20: に直接結びつく要因だと考えられていた。しかし、チョムスキーは、英語圏において親か
21: らのインプットに含まれない誤用を子供が産出するとの研究結果から、従来の刺激と反応
22: という考え方を否定し、人間の生得的に備わっている言語獲得装置すなわち普遍文法によっ
23: て言語が習得されると考えた。
24:  普遍文法理論の根拠については、まずは「刺激の貧困性」があげられる。それは、学習
25: 者である幼児が接触する入力データには、言語習得に必要で十分な情報はないし、それを
26: 補充するための「否定的証拠」が与えられていない、という問題である。更に、幼児の周
27: 囲の親たちは、正確な文章を話すことは期待できず、幼児の学習用としては決して質がよ
28: くない、という問題もある。したがって、量の面でも質の面でも「不十分な刺激」から幼
29: 児が言語体系を習得するのは困難であるとし、幼児や言語学習者においては生得的に言語
30: 獲得装置が存在し、その言語特性が作用して学習が可能になるとチョムスキーは唱え、こ
31: の言語特性を普遍文法と呼んだ。
32:  普遍文法理論では、さまざまな言語を習得する発達について、パラメータの考え方で説
33: 明している。最初はどの幼児も普遍原理と未設定のパラメータという状態であるが、親の
34: 言葉に触れることでパラメータが設定されていき、その後もさまざまな細かい規則が習得
35: される段階を経て個別の言語が習得されると考える。

試験問題表示
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2023年度 6月試験 試験問題
30718:言語習得理論
問題は大きく三つに分かれており、問1と問2は「説明する」問題で、問2は「語句」を答える問題です。
問1.(1)「先生、お荷物を持ってきてさしあげましょうか」という発話は誤用かどうか、答えなさい。そして(2)正用だと考える場合はさらに良い表現にするならどう言い換えれば良いか。誤用だと考える場合はどこがおかしいのか、答えなさい。

問2.父親は日本人、母親はポルトガル人で、家庭での会話は主に日本語、子供の国籍はポルトガル、現在は日本に住んでおり、小学校で中国語を学んでいる。この場合、この子供の(1)母語、(2)母国語、(3)第二言語、(4)外国語はそれぞれ何語になるか答えなさい。

問3.次の説明に該当する「語句」を答えなさい。
(1)学習者がある言語でそれは間違っている、あるいは学習してはいけないと判断する情報のことを何と言うか。
(2)緊張したり、体調が悪かったりして、一時的に言い間違ってしまう誤用を何と言うか。
(3)教師の指導や練習が、学習者の習得にマイナスの影響を与えることを何と言うか。
(4)例えば、英語と日本語を使うことができるバイリンガルだが、どちらかと言うと英語の方が能力が劣る場合を何と言うか。
(5)アメリカのシューマンが提唱した第二言語習得のモデルとは何か。
(6)子供の第二言語習得において、生活の中で必要な基礎的な言語能力のことを何と呼んでいるか。
(7)1つの文の中にある様々な手がかりを相互に競い合わせることで文の理解や習得が進んでいくと考えた第二言語習得理論を何と言うか。
(8)学習の準備ができている項目を教えることは、習得順序の発達を促進させるのに有効であるとする考え方を何と言うか。
(9)誤用の重要性を主張したのは誰か。