音素 教科書P7「私たちは普段「さしすせそ」や「たちつてと」をひとまとめに扱っているが、外国人の耳で聞くとその中に別の子音が混じっていることがある。ヘボン式の書き方はヘボン(Hepburn)という名前のアメリカ人の宣教師が考案したもので、英語を話す人が感じる音の違いを忠実に表したものである。」
p8「このことからわかるように、訓令式ローマ字で書くと、ほぼ音素を書き表していることになる。これは私たちが1つであると感じている音よりも小さい単位であるが、このように音を細かくわけていくと新しく見えてくる面がある。音素という概念を理解するのは難しいが、日本語を訓令式ローマ字で書き表しながら、少しずつその考え方に慣れていってほしい。」
音素 – Wikipedia音素(おんそ、英: phoneme)とは、言語学・音韻論において、音声学的な違いはどうであれ、心理的な実在として、母語話者にとって同じと感じられ、また意味を区別する働きをする音声上の最小単位となる音韻的単位を指す。
展望現代の日本語p35「話し言葉である音声は、瞬間的な一過性のものである。」「音声記号に(引用者略) 多く用いられるのが(引用者略) 国際音声記号(略称IPA)である。」
展望現代の日本語p50「音声がどのような機能を有するかという観点から、単音などを定型的に整理し、構築しようとする研究を「音韻論」と言い、音韻論上の最小単位を「音素」と呼ぶ。」
展望現代の日本語p51「音素は、複数の単音のさまざまな特徴を抽象化して一つにまとめた概念であり、具体的な一単音とイコールの関係にはならない。」
単音 – Wikipedia単音(たんおん、phone)または音価(おんか)とは、言語学において、書き表される文字がどのような音声を表しているかを示す語である。たとえば「室町時代の「え」の音価は [je] であった」のように言う。音素とは対比して用いられる。
発音の仕方や音響的な特徴から同定される音声の単位。国際音声記号を [ ] で囲んで表すことが多い。
音韻論上の単位である音素が他の音素との対照によって定義される抽象的な概念であるのに対して、単音は実際の発音(とくに同一音素の異音)に対応することを目的とする。(例:がっこう /gaQkoo/ [gak̚koː]、かがみ /kagami/ [kaŋami])ただし、実際にどの程度まで細かく分類し、異なる記号を割り当てるかは、個々の分析の目的による。
jaもうひとつの五十音図
Another Japanese Syllabary Proposed泉谷双藏東京医科歯科大学教養部研究紀要第 42 号:47〜62(2012)
(9)現在使われているが、表にない拗音:
「シェ」:シェパード、(ミルク)シェイク、シェリー酒、シェル
「チェ」:チェック、チェロ、チェッカー
「ジェ」:ジェスチャー、ジェット機、ジェンダー、プロジェクト、ジェラシー
更に、表3に記載されていないが実際に使われている拗音が他にもたくさんある。それを例
と伴に(10)に示す。(10)の拗音を入れた片仮名の拗音だけを示すと表4のようになる(坂
野他:2011)。
(10)「ツァ」:モーツァルト、ピッツァ、ピューリッツァー賞
「ツィ」:ツィッター
「ツェ」:レッドツェッペリン、ツェツェバエ、ボスニア・ヘルツェゴビナ
「ツォ」:カンツォーネ
「ファ」:ファイト、ファイル、ファースト、ファール、エレファント、ファーム、
ファッション
「フィ」:オフィス、フィクション、フィット、フィルム、フィールド
「フェ」:フェスティバル、フェルトペン、フェチズム、フェーン現象、フェア、
フェイント、ビュッフェ、カフェ
「フォ」:フォッグ、フォッサマグナ、ファオーク、フォード、フォール
「フュ」:フュージョン、フューズ、フュール
「ティ」:シティー、レモンティー、パーティー、パーティション、ティシュー
「ディ」:ディナー、ディスク、ディスコ、ディズニーランド、スピーディ、ディーゼル、
フェスティバル、ビルディング、メディカル
「デュ」:デュエット、コーデュロイ、デュポン、プロデュース
「ウェ」:ウェット、ウェルネス、スウェーデン
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/h/ ハ ヒ フ ヘ ホ b バ ビ ブ ベ ボ p パ ピ プ ペ ポ
/m/ マ ミ ム メ モ
/y/ ヤ ユ ヨ
/r/ ラ リ ル レ ロ
/w/ ワ ヲ
拗音
/ky
/ キャ キュ [キェ] キョ /gy
/ ギャ ギュ [ギェ] ギョ
/š/ シャ シュ [シェ] ショ /zy
/ ジャ ジュ [ジェ] ジョ
/č/ チャ チュ [チェ] チョ /dy
/ ヂャ ヂュ [ヂェ] ヂョ
/ny
/ ニャ ニュ [ニェ] ニョ
/ç/ ヒャ ヒュ [ヒェ] ヒョ /by
/ ビャ ビュ [ビェ] ビョ
/py
/ ピャ ピュ [ピェ] ピョ
/my
/ ミャ ミュ [ミェ] ミョ
/ry
/ リャ リュ [リェ] リョ
撥音 ン 促音 ッ
「クァ」:スクァット
「クェ」:クェート
「クォ」:クォーツ、クォンタム
「ウィ」:ウィンナー、ウィンブルドン、スウィング、ハロウィーン
「ウォ」:ウォーキング、ウォーター、ウォッシュレット
B2-5.pdfローマ字文(日本式(訓令式))における外来語表記法の提案
レポート提出条件 文章直接入力要、1200~2000文字
第1課題
問1.テキスト1.1を読み、音と音素の違いを述べた上で、ヘボン式ローマ字と訓令式ローマ字で、なぜ使用する文字数が異なるのかを説明しなさい。
問2.テキスト2.2.3.を読み、意味を示す形態素によって動詞を分類するとどうなるかを説明しなさい。
問3.標準問題2.3.A.に解答し、受身や使役の形態素の形が変わる規則を説明しなさい。
問4.標準問題4.2.A.に解答した上で、自分がそう訳した理由を文法的に説明しなさい。
第2課題 問1.標準問題3.1.A.に解答し、その格助詞の用法について説明しなさい。
問2.標準問題3.3.A.に解答した上で、ガ格を用いるときの条件について説明しなさい。
問3.テキスト3.4.2.、3.4.3.(pp.87-89)を読み、ハの用法について整理しなさい。必ず例文を挙げること。
問4.標準問題4.1.B.に解答した上で、音の分け方が日本語の外来語とどう違うかについて説明しなさい。
第3課題 問1.標準問題1.1.A.に解答し、その例をもとに仮名と発音が一致しないところとその理由を説明しなさい。
問2.標準問題1.2.A.に解答し、訓令式ローマ字と実際の発音がずれているところについてどう違うのかを説明しなさい。
問3.テキスト3.5.(pp.89-95)を読んだ上で、時や条件を述べる従属節内における副助詞「ハ」の使用制限について説明しなさい。
問4.テキスト4.3.(フランス語)、4.4.(スペイン語)を読んで文法を比較し、その共通点と相違点を示しなさい。
第4課題 問1.テキスト3.6.(pp.95-99)を読み、タ形が過去以外にどのような用法を持つのか、例文を挙げながら説明しなさい。
問2.応用問題4.7.B.に解答し、そのように解答した理由を文法的に説明しなさい。
問3.標準問題4.8.A.に解答し、そのように解答した理由を文法的に説明しなさい。
問4.テキスト5.2.4.を読み、受け身文とは何か、その基本はどのようなものかを説明した上で、日本語の受け身文の特徴について説明してください。
第1課題 問1.回答案
●音と音素の違い
音とは話される音声のことで、言語としての解釈とか意味を加える以前の、音声学上の物理的存在と考えられる。
一方で、音素とは、言語としての意味解釈を行った音韻論上で音声を整理した最小単位である。言語が違えば、また別の音韻論と音素がある。
従って、音と音素とは一致しないことがある。例えば、外国人が聞くと異なる音でも日本語では一つの音素と解釈されるものがある。
●ヘボン式ローマ字と訓令式ローマ字で、なぜ使用する文字数が異なるのか
訓令式ローマ字では日本語としての音韻論上で音素をほぼ書き表している。
一方で、アメリカ人宣教師が考案したヘボン式ローマ字では、英語話者の感じる音を表すために訓令式ローマ字の一文字を複数アルファベットで表す工夫が施された。そのために、訓令式ローマ字では2つのアルファベット文字(子音1文字+母音1文字)を使っているところに、ヘボン式ローマ字では3つのアルファベット文字(子音2文字+母音1文字)を使っているところがある。
問2.回答案
●意味を示す形態素によって動詞を分類するとどうなるか
子音で終わる形態素では、カ行、サ行、タ行、マ行、ラ行で終わるものに分類できる。次に、母音で終わる形態素の場合、iかeのどちらかで終わるものに分類できる。また、送り仮名がワ行になるものがあるが、これは形態素にwを含めて考えるのがよい。特別なものは「来る」と「する」があり、不規則変化がある。
問3.回答案
●標準問題2.3.A.の解答
(1) 捨てる (sute-)、捨てられる (sute-rare-ru)、捨てさせる(sute-sase-ru)
(2) 残す (nokos-)、残される(nokos-are-ru)、残させる(nokos-ase-ru)
(3) 歌う (utaw-)、歌われる(utaw-are-ru)、歌わせる(utaw-ase-ru)
(4) 読む (yom-)、読まれる(yom-are-ru)、読ませる(yom-ase-ru)
(5) 見る (mi-)、見られる(mi-rare-ru)、見させる(mi-sase-ru)
(6) 踏む (hum-)、踏まれる(fum-are-ru)、踏ませる(fum-ase-ru)
(7) 話す (hanas-)、話される(hanas-are-ru)、話させる(hanas-ase-ru)
(8) なぐる (nagur-)、なぐられる(nagur-are-ru)、なぐらせる(nagur-ase-ru)
(9) 入れる (ire-)、入れられる(ire-rare-ru)、入れさせる(ire-sase-ru)
(10) すわる (suwar-)、すわられる(suwar-are-ru)、すわらせる(suwar-ase-ru)
●受身や使役の形態素の形が変わる規則
受身や使役の形態素が子音で終わる場合(上記(2)(3)(4)(6)(7)(8)(10)の場合)、受身や使役の形態素(-rare-、-sase-)の、続く次の子音が一つ消えてしまい、(-are-、-ase-)となるのが規則である。これは子音連続となるのを防ぐため、と考えられる。
問4.回答案
●標準問題4.2.A.の解答
●そう訳した理由
第2課題 問1.標準問題3.1.A.に解答し、その格助詞の用法について説明しなさい。
3.1.A. 標準問題の解答案
(1) その泥棒は窓()はいってきた。 (から、に)
● 「はいる」という動詞には、方法あるいは経路を示す名詞句が優先的に必要なので、経路を示す「から」あるいは順序を示す「に」をが助詞として適する。
(2) シロの鳴き声()目()さめたが、 (で、に)(が、は)
● 鳴き声(で、に)は原因あるいは経緯を示す補足として付け足しの名詞句であり、原因を示す「で」あるいは「に」が助詞として適する。目(が、は)は、「さめる」という動詞には、主語として何がさめたかを示す名詞句が優先的に必要であるので、主体を示す「が」あるいは主体の候補を示す「は」が助詞として必要である。
(3) 何か様子()おかしいので、 (が、も)
● 「おかしい」という動詞の優先的に必要な主体を示す「何か」はすでに入っており、「様子」(が、も)は付け足しの名詞句である。追加説明の名詞句を示す「が」あるいは「も」が適する。
(4) ドア()耳()つけてみた。 (に、へ)(を)
● ドア(に、へ)は追加的に補足として付け足す名詞句であり、追加説明の名詞句を示す「に」「へ」が適する。「つける」は主語を示す必要な名詞句が必要で、主語を示す耳(を)が適する。
(5) すると、はだし()歩く音とジャラジャラいう音()聞こえたので、(で、の)(が、も)
● 「歩く」という動詞に追加的な名詞句を付け足す(で、の)を補足したもの。「聞こえ」という動詞に優先的に必要な主体を表す(が、も)が適する。
(6) 私は急いで弟()起こし、 (を、も)
● 「起こす」とう動詞に優先的に必要な主体を示す(を、も)が適する。
(7) どうすればよいか、二人()相談した。 (で、は)
● 「相談」という動詞に補足として付け足す名詞句で、(で、は)が適する。
問2.標準問題3.3.A.に解答した上で、ガ格を用いるときの条件について説明しなさい。
3.3.A. 標準問題の解答
次の{}の助詞のうち適当だと思うものを選びなさい。
(1) 一郎が字{を・が}うまいとは誰も思わなかった。 ● が
(2) 海の音{を・が}きこえますか。 ● が
(3) 早く君{が・に}会いたい。 ● に
(4) こんなもの{を・が}食べられるか! ● が
(5) 僕の父は英語{を・が}上手だ。 ● が
(6) この曲{を・が}歌いたいと思います。 ● を
(7) ジャックは高いところ{を・が}こわくありませんでした。 ● が
(8) ふと気づくと、ピーマン{に・を}くさらせてしまっていた。 ● を
(9) 答え{を・が}わかった人は手をあげなさい。 ● が
(10) 彼女は夫{に・を・が}会社にとられたと持っている。 ● を
● ガ格を用いるときの条件は次の通り
述語が形容詞で、その対象を表す場合「が」が使われる。例(1)、(2)、(4)、(5)、(7)。
述語が形容動詞
問3.テキスト3.4.2.、3.4.3.(pp.87-89)を読み、ハの用法について整理しなさい。必ず例文を挙げること。
問4.標準問題4.1.B.に解答した上で、音の分け方が日本語の外来語とどう違うかについて説明しなさい。
第3課題 問1.回答案
●標準問題1.1.A.の解答は次の通り
(1) シャツ syatu (2) 学校 gakkô (3) 幼稚園 yôtien (4) 失格 sikkaku (5) 校長先生 kôtyôsensei (6) おじいさん ozîsan
(7) ラジオ razio (8) 修学旅行 syûgakuryokô (9) ローマ字 rômazi (10) 封筒 hûtô
●この例で仮名と発音が一致しないところと、それぞれの違いは次の通り
(2)「こう」は[kô]と発音しており、仮名で表す「う」の音ではなく「お」の長音となっている、以下それぞれ、
(3)「よう」は[yô]と発音、仮名の「う」の音ではなく「お」の長音、
(5)「こう」は[kô]と発音、仮名の「う」の音ではなく「お」の長音
「ちょう」は[tyô]と発音、仮名の「う」の音ではなく「お」の長音、
(6)「じい」は[zî]と発音、仮名の「う」の音ではなく「い」の長音、
(8)「しゅう」は[syû]、「こう」は[kô]と発音、仮名の「う」の音ではなくそれぞれ「う」と「お」の長音、
(9)「ロー」は[rô]と発音、仮名の「う」の音ではなく「お」の長音、
(10)「ふう」は[hû]、「とう」は[tô]と発音、仮名の「う」の音ではなくそれぞれ「う」と「お」の長音。
問2.回答案
●標準問題1.2.A.の解答は次の通り
(1) mikan 唇閉じ 鼻音〇 有声音〇
(2) hyaku のど奥破裂音 〇 ×
(3) hikidasi 歯茎硬口破裂 × 〇
(4) bunpô 口蓋閉じ 〇 〇
(5) gakkô 口蓋閉じ 〇 〇
(6) enpitu 口蓋閉じ 〇 〇
(7) zassi 歯茎硬口摩擦 〇 〇
(8) paipu 唇閉じ破裂 × ×
(9) manga のど奥閉じ 〇 〇
(10) nakimusi 歯茎閉じ 〇 〇
●この例で訓令式ローマ字と実際の発音がずれているところと、どう違うのかは次の通り
(1)、(4)、(6)、(9)はそれぞれ音韻論上の「ん」/n/の音素があり、訓令式ローマ字で「n」となっているが、実際の発音は異なっている。それぞれ音声学上の単音で表すと、つぎのようになる。
(1)の「ん」は後ろに何も来ないので[ɴ]、
(4)と(6)の「ん」はパ行が続くので[m]、
(9)の「ん」は後ろにガ行が続くので[ŋ] となる。
問3.回答案
●時や条件を述べる従属節内における副助詞「ハ」の使用制限について説明しなさい。
問4.回答案
●(フランス語)、(スペイン語)の文法を比較し、その共通点と相違点を示しなさい。
第4課題 問1.テキスト3.6.(pp.95-99)を読み、タ形が過去以外にどのような用法を持つのか、例文を挙げながら説明しなさい。
問2.応用問題4.7.B.に解答し、そのように解答した理由を文法的に説明しなさい。
問3.標準問題4.8.A.に解答し、そのように解答した理由を文法的に説明しなさい。
問4.テキスト5.2.4.を読み、受け身文とは何か、その基本はどのようなものかを説明した上で、日本語の受け身文の特徴について説明してください。