個人、家庭及び地域における
新型インフルエンザ対策ガイドライン(案)
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目次
第1章 はじめに
第2章 各段階における対策
1.新型インフルエンザの発生前の準備
2.新型インフルエンザの発生時の対応
別添1 新型インフルエンザ関連ホームページ
別添2 個人での備蓄物品の例
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第1章 はじめに
○ 新型インフルエンザ対策は、国をあげて推進することとしているが、対策の実効性を確保し、新型インフルエンザの被害を最小限に食い止めるためには、個人、家庭及び地域での理解と協力が不可欠である。
○ 本ガイドラインは、個人、家庭及び地域における新型インフルエンザ対策の参考とするために作成したものであり、本ガイドラインを参照し、具体的な対策が講じられることが望まれる。
(1)新型インフルエンザの基礎知識
○ 新型インフルエンザウイルスとは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスが、人の体内で増えることができるように変化し、人から人へと容易に感染できるようになったもので、このウイルスが感染して起こる疾患が新型インフルエンザである。
○ 新型インフルエンザは、いつ出現するのか予測することはできない。人類にとっては未知のウイルスであって、免疫を獲得していないので、これは容易に人から人へ感染して拡がり、急速な世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性がある。
○ このような例の一つとしてスペイン・インフルエンザ(1918年-1919年)がある。世界では人口の25?30%が罹患し、4,000万人が死亡したと推計されており、日本では2,300万人が感染し、39万人が死亡したと記録されている。その記録から、大流行が起こると多くの人が感染し、医療機関は多数の患者で混乱し、国民生活や社会機能の維持に必要な人材の確保が困難になるなど、様々な問題が生じることが予想される。
○ スペイン・インフルエンザでは、約11か月で世界中にまん延したと伝えられているが、現代社会では、人口の増加や都市への人口集中、飛行機等の高速大量交通機関の発達などから、世界のどこで発生しても、より短期間にまん延すると考えられる。
○ 我が国では、新型インフルエンザウイルスの国内侵入防止のため水際対策を講ずることとしているが、多数の邦人が海外で活動しており、国内外の人的交流も盛んなため、ウイルスの侵入を完全に防ぐことはできず、我が国だけが影響を受けないということはありえない。国においては、新型インフルエンザの発生は国家の危機管理の問題ととらえ、対策の準備を進めているが、個人、家庭及び地域においても、感染拡大の防止と発生時の冷静な対応を行うため、事前の対策と準備が必要となる。 131
(2)国・地方自治体の対策
○ 国においては、総合的な新型インフルエンザ対策の基本となる計画として「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定、公表している。さらに、本ガイドラインも含め、公衆衛生、医療、社会対応等の各分野でガイドラインを作成し、詳細かつ具体的な対策を公表している。
○ 地方自治体においては、国の行動計画等を踏まえ、地域の実情に応じた新型インフルエンザ対策の行動計画やマニュアルを策定しており、これらは地方自治体や保健所のホームページ等に掲示されている。また、本人が発熱等の症状を呈した時にアクセスするべき発熱相談センター、発熱外来についての情報も提供することとしている。
○ 特に、市区町村においては、最も住民に近い行政主体であり、地域住民を支援する責務を有することから、住民に対する情報提供を行い、新型インフルエンザ対策に関する意識啓発を図るとともに、支援を必要とする高齢者世帯、障害者世帯等(新型インフルエンザの流行により孤立化し、生活に支障を来すおそれがある世帯)への具体的な支援体制の整備を進めている。
(3)国民の協力
○ 新型インフルエンザは、人が感染者に近距離で接触することによって拡がるため、国民一人一人が感染拡大防止に関する正しい知識を持ち、協力して、自分たちの家庭や地域を守る心構えが肝要である。
○ 国及び地方自治体は、国の行動計画における新型インフルエンザの発生段階に応じ、その状況や国民一人一人に求められる行動について広報を行うこととしている。これらを入手するためには、テレビ、新聞等のマスメディアやインターネットによる情報収集が有力な手段であるが、居住地域の状況については、地方自治体が提供する情報が最も詳細なものである。主な公的情報源は、次のとおりである。
・都道府県及び市区町村の情報
都道府県及び市区町村は、ポスター掲示、ホームページ、相談窓口等を通して、地域の感染状況、新型インフルエンザに係る発熱相談センターや発熱外来に関する情報をその地域に提供する。
・国の情報
国は、都道府県及び市区町村を通じて情報提供を行うほか、マスメディア等を通じて直接情報を提供する。関連するホームページは、別添1を参照されたい。
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第2章 各段階における対策
1.新型インフルエンザの発生前の準備
(1)個人、家庭及び地域での対策
1)情報収集
○ 新型インフルエンザは、いつ出現するのか予測できず、また、起こったときの正確な状況も予測できない。重大な被害を受けることも想定し、できる限りの準備をしておくことが大切であり、日頃から新型インフルエンザに関する情報に注意することが必要である。
○ 新型インフルエンザやその感染防止策に対する正しい知識を持つため、テレビ、新聞等のマスメディアやインターネットにより情報収集を行うとともに、居住地域の状況については、地方自治体の提供する情報の収集に努める。
2)通常のインフルエンザ対策
○ 新型インフルエンザ対策は、通常のインフルエンザ対策の延長線上にあり、 通常のインフルエンザの対応から取組を始めることが重要である。
○ 通常のインフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染である。
・飛沫感染:感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを健康な人が吸入することによって感染する。
・接触感染:感染した人がくしゃみや咳を手で抑えた後や、鼻水を手でぬぐった後に、机やドアノブ、スイッチなどに触れると、その触れた場所にウイルスが付着することがある。その付着したウイルスに健康な人が手で触れ、その手で目や鼻、口に再び触れることにより、粘膜・結膜などを通じてウイルスが体の中に入り感染する。
○ このため、新型インフルエンザの予防には、通常のインフルエンザに対する下記のような取組を習慣づけておくことが重要であり、国民一人一人がいわゆる「咳エチケット」を心がけることが求められる。
・咳、くしゃみの際は、ティッシュ等で口と鼻を被い、他の人から顔をそらすこと
・使ったティッシュは、直ちにゴミ箱に捨てること
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・咳やくしゃみ等の症状のある人には必ずマスクを着けてもらうこと(個人が使用するマスクで最適なのは、不織布製マスク1である。なお、N95マスク2は、一般の生活の中で個人が使用するマスクとしては適していない3。)
・咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗うこと
○ また、国民は、「咳エチケット」以外にも、次の点について心がけることが求められる。
・帰宅後や不特定多数の者が触るようなものに触れた後の手洗い・うがい を日常的に行うこと
・手洗いは、石鹸を用いて最低15秒以上行うことが望ましく、洗った後は、清潔な布やペーパータオル等で水を十分に拭き取ること
・感染者の2メートル以内に近づかないようにすること
・流行地への渡航、人混みや繁華街への不要不急な外出を控えること
・十分に休養をとり、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとり、規則的な生活をし、感染しにくい状態を保つこと
1 不織布性マスク:繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や科学的な作用によって接着させて作った布で作成されたマスク。市販されている家庭用マスクの約97%が不織布製マスクである。薬局やコンビニエンスストア等で通常購入することが可能であり、マスクが不織布製であるかどうかは、製品の袋に記載されていることが多い。
2 N95マスク:日常生活において使用することは想定されていない。新型インフルエンザ患者に接する可能性の高い医療従事者等については、着用が勧められている。
3 マスクの使用の考え方については、厚生労働省が別途示す。 134
「咳エチケット」
風邪などで咳やくしゃみが出る時に、他人に感染させないためのエチケットである。感染者がウイルスを含んだ飛沫を発することにより周囲の人に感染させないように、咳エチケットを徹底することが重要である。
<方法>
咳やくしゃみの際は、ティッシュなどで口と鼻を被い、他の人から顔をそむけ、できる限り1?2メートル以上離れる。 ティッシュなどがない場合は、口を前腕部(袖口)でおさえて極力、飛沫が拡散しないようにする。前腕部で押さえるのは、他の場所に触れることが少ないため、接触感染の機会を低減することができるからである。
呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てる。
咳やくしゃみをする際に押さえた手や腕は、その後直ちに洗うべきであるが、接触感染の原因にならないよう、手を洗う前に不必要に周囲に触れないよう注意する。手を洗う場所がないことに備えて、携行できる速乾性擦式消毒用アルコール製剤あるいはパック入りのアルコール綿を用意しておくことが推奨される。
咳をしている人にマスクの着用を積極的に促す。マスクを適切に着用することによって、飛沫の拡散を防ぐことができる。
3)社会・経済活動に影響が出た場合への備え
○ 新型インフルエンザが発生した場合、感染拡大を防止するために、?新型インフルエンザの患者やその同居者等の外出の自粛をはじめ、地域における人と人との接触機会を減らすための外出自粛、?学校、保育施設等(以下「学校等」という。)の臨時休業、?企業の不要不急の業務の縮小・停止、?集会等の中止、延期等の呼びかけがなされることになる。
○ 勤務先の企業や団体に対しては、不要不急の業務の縮小・停止が要請されるが、重要業務を継続する必要がある場合には事業所内での感染拡大を防止するために、時間差勤務、交代勤務、在宅勤務、自宅待機などの様々な対策が講じられることになる。
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○ このため、例えば、子の通学する学校等が長期に休業になった場合、勤務時間が変更された場合等には、どのように家庭内で役割を分担し生活を維持していくか等について、各家庭で検討しておくことが勧められる。
4)家庭での備蓄
○ 新型インフルエンザが海外で大流行した場合、様々な物資の輸入の減少、停止が予想され、新型インフルエンザが国内で発生した場合、食料品・生活必需品等の流通、物流に影響が出ることも予想される。また、感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則である。
○ このため、災害時のように最低限(2週間程度)の食料品・生活必需品等を備畜しておくことが推奨される。(別添2参照)
5)その他
○ 糖尿病や高血圧症などの慢性疾患の病状が良好に安定していない場合は、新型インフルエンザに感染しやすくなるので、平常より主治医による治療を受けておくことが望まれる。
○ 新型インフルエンザの発生時に、自分が感染したと誤解して発熱外来を受診することを防ぐため、麻疹(はしか)や通常のインフルエンザ等のような、新型インフルエンザと区別がつきにくい発熱性の疾患については、予防接種を受けておくことが望ましい。また、他の感染症(結核や百日咳など)にかかると、新型インフルエンザに感染しやすくなるため、日常の予防接種を普段からきちんと受けておくことが重要である。
(2)住民生活の支援
1)情報収集・提供
○ 市区町村においては、新型インフルエンザに関する情報を収集し、保健所との連携の下、地域住民が混乱しないように必要な情報を的確に提供できるよう体制を整えることが重要である。
○ また、新型インフルエンザに限らず、誰でも感染症にかかる可能性があるため、感染者に対する偏見や差別は厳に慎まなくてはならないことを、広報等を通じて住民に啓発することが必要である。
2)支援を必要とする高齢者世帯、障害者世帯等の把握
○ 市区町村は、自治会等と連携して独居又は夫婦のみで生活する高齢者の世帯、障
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害者の世帯など新型インフルエンザの流行により孤立化し、生活に支障を来すおそれがある世帯の把握に努め、発生後速やかに必要な支援ができるようにする。
3)食料品・生活必需品等の提供の準備
○ 新型インフルエンザが発生した時には、感染の原因となる接触の機会を減らすため、外出も最低限まで控えることが推奨される。また、食料品・生活必需品等の製造・販売事業者については、新型インフルエンザ発生時においても事業の継続を要請する方針であるが、流通、物流の停滞等により食料品・生活必需品等の入手が困難になる可能性もある。このため、各市区町村では、地域に必要な物資の量、流通、物流の体制等を踏まえ、地方自治体による備蓄、製造販売事業者との供給協定の締結等、各地域の流通・物流事業者等と連携を取りながら、あらかじめ地域における食料品・生活必需品等の確保、配分・配付の方法について検討を行い、地域の実情に応じた計画を策定するとともに、早期に計画に基づく取組を進めることが必要である。
○ 新型インフルエンザのまん延により、住民が自ら食料品・生活必需品等を購入することが困難となる地域が想定される状況になった場合には、例えば、食料品・生活必需品等を地域内の集積拠点(広場、公民館等)まで搬送し、そこに集まった者に配分することも考えられる。
○ 支援を必要とする高齢者、障害者等世帯や病院、入所施設等に対しては、地域の代表者や市区町村の職員等が、個々の世帯、施設を訪問し、食料品・生活必需品等を配付する方法も考えられる。
4)その他
○ 各市区町村では、自宅で療養する新型インフルエンザの患者を見回るため等に必要な個人防護具(マスク等の個人を感染から守るための防護具)等の備蓄を行っておくことが必要である。
○ 各市区町村では、新型インフルエンザ発生時にも、地域住民の生活支援を的確に実施できるよう、市区町村自らの業務継続計画を策定することが重要である。
2.新型インフルエンザの発生時の対応
(1)個人及び家庭での対応
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1)情報収集
○ 新型インフルエンザの発生に関する情報については、国及び地方自治体において発生状況を随時公表することとしており、それらの情報収集に努めることが必要である。特に、本人、家族等が発症した場合に備え、各地域の発熱相談センター、発熱外来などの情報が重要である。
○ 新型インフルエンザに関する情報には、国及び地方自治体の提供する情報や企業が提供する情報(商業ベースのものとそうでないものがある。)、マスコミが提供する情報、噂などがあり、媒体も行政からの広報誌や新聞、雑誌、テレビ、インターネットなど様々である。
○ しかし、中には情報の信憑性、根拠に関して問題のあるものもあり、特に噂には虚偽のものが含まれることが多く、こうした情報を過度に信用してパニックが起こらないよう、正確な情報を収集し、冷静に対応することが重要である。
○ 新型インフルエンザに限らず、誰でも感染症にかかる可能性があるため、感染者に対する偏見や差別は厳に慎まなくてはならない。
2)感染拡大の防止
○ 発症した人がマスクをすることによって他の人に感染させないという効果は認められており、自分が発症した場合にはマスクを着用することが必要である。他方、まだ感染していない者がマスクをすることによってウイルスの吸い込みを完全に防ぐという明確な科学的根拠はないため、マスクを着用することのみによる防御を過信せず、お互いに距離をとるなど他の感染防止策も講ずる必要がある。
○ 食料品・生活必需品等の買出しや重要業務を継続するためなどのやむを得ない出勤等の場合を除き、感染を回避するため、不要不急の外出は自粛するとともに、やむを得ない外出の際にも、混雑した公共交通機関の利用を避けるなどの工夫が必要である。
3)本人、家族等が発症した場合の対応
ア 発生早期の段階
・ 感染した可能性のある者は、極力、他の人に接触しないよう以下の対応を行うことが必要である。
*発熱・咳・全身痛などの症状がある場合、事前連絡なく医療機関を受診すると、万が一、新型インフルエンザに感染していた場合、待合室等で他の疾患の患者に感染させてしまう「二次感染」のおそれがある。その場合は
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まず、保健所等に設置される発熱相談センターに電話等で問い合わせをし、その指示に従って指定された医療機関で受診する。
*発熱相談センターから指定された医療機関を受診するときは、必ず当該医療機関に電話で事前に連絡し、受診する時刻及び入口等について問い合わせる。この連絡を受けて、医療機関は、院内感染を防止するための準備をすることになる。
*医療機関を受診するときは、マスクを着用する。マスクがない場合は、咳エチケットを心がけ、周囲に感染させないように配慮する。また、受診に際しては、公共交通機関の利用を避けて、できる限り家族の運転する自家用車などを利用する。適切な交通手段がない場合は、発熱相談センターに問い合わせる。
・ 感染していることが確認された場合、入院して治療を受けること、また、感染している可能性が高い同居者等やその濃厚接触者は、外出自粛を要請され、保健所へ健康状態を報告することが、法律により定められている。また、状況に応じて抗インフルエンザウイルス薬(タミフル等)が配付されることがあるので、保健所からの説明をよく聞く必要がある。
イ 感染が拡大した段階
・ 各地域における新型インフルエンザの流行状況によるが、第三段階のまん延期には軽症者は原則として自宅で療養する。これは、多数の医療機関の外来診療は著しい混雑となり、また、病床が不足する状況において、重症者の治療を優先することが必要となるためである。
・ インフルエンザ様の症状があり、受診を希望する場合、都道府県等が設置する発熱外来を受診する。この発熱外来は、他の患者との接触を極力避けることを目的とした医療機関である。都道府県や市区町村、保健所から設置に関わる情報が提供されるので、随時情報収集することが必要である。
・ 受診すべきかどうかの判断がつかない場合、また、発熱外来がどこに設置されているか分からない場合は、発熱相談センター等に問い合わせる。
○ 発熱外来を受診するときは、マスクを着用する。マスクがない場合は、咳エチケットを心がけ、周囲に感染させないように配慮する。また、受診に際しては、公共交通機関の利用を避けて、できる限り家族の運転する自家用車などを利用する。適切な交通手段がない場合は、発熱相談センター等に問い合わせる。
4)患者を看護・介護する家族の対応
○ 新型インフルエンザの患者は、極力個室で静養し、家族の居室と別にするとともに、マスクを着用し、咳エチケットなどを心がける。また、患者の家族は、患者からの二次感染を防ぐよう、手洗い・うがい等を励行し、マスクを着用する。
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○ 流水と石鹸による手洗い又はアルコール製剤による手指消毒が感染防止策の基本であり、患者の看護や介護を行ったあとは、必ず手指消毒をするように心がける。患者の使用した食器類や衣類は、通常の洗剤による洗浄及び乾燥で消毒することができる。
5)医療の確保への協力
○ 第三段階のまん延期には一時的に多数の患者が医療機関を受診するため、医療従事者や医薬品・医療資器材の不足等、医療を支える体制が極端に脆弱になることも予想される。
○ また、まん延期であっても、生命に関わる救急の患者や人工透析などの継続的な治療が必要な患者もいる。
○ したがって、不要不急の医療機関受診や軽症での救急車両の利用は控えて、新型インフルエンザの患者や急を要する患者の医療の確保に協力することが重要である。
(2)地域における対応
○ 人が多く集まる集会や催し物は、可能な限り延期することが必要である。
○ 学校等では、感染が拡がりやすいため、そこに通う子どもたちの健康をできるだけ守る必要がある。また、このような施設で感染が起こった場合、地域における感染源となるおそれがある。そのため、新型インフルエンザの患者が確認され、当該地域内において感染が拡がる可能性が否定できない場合、速やかに学校等の臨時休業を実施することが重要である。
○ 学校等が臨時休業になった場合、学校等に行かない子どもたちが地域で多数集まれば休業の意味がなくなるため、子どもどうしで接触しないようにすることが必要である。
○ 各個人、家庭は、感染防止策を講じつつ、自治会等地域の活動に協力することが必要である。地域活動は、食料品・生活必需品等の物資の配付のルートになることも想定されるため、自らの身を守ると同時に、最低限の地域活動の機能を維持することも大切である。
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(3)住民生活の支援
1)情報提供
○ 市区町村は、管内の住民、事業所、福祉施設等に対し、マスクの着用、手洗い・うがいを勧奨する。
○ 都道府県と連携して、地域住民の混乱を避けるために、必要な情報を適宜提供する。根拠のない虚偽の噂や偏見、差別につながる情報を野放しにしないよう、国や都道府県と連携し、正確な情報を提供する。
2)食料品・生活必需品等の提供
○ 食料品・生活必需品等の供給状況に応じ、新型インフルエンザの発生前に立てた計画に基づき、住民に対する食料品・生活必需品等の確保、配分・配付等を行う。
3)相談窓口の設置
○ 住民からの専門的な相談は、基本的には保健所等に設けられた発熱相談センターが担うが、保健所は、新型インフルエンザの患者の搬送、入院措置、積極的疫学調査などの業務で多忙を極め、住民からの相談に十分に応ずることができない事態も考えられる。
○ そのため、市区町村は混乱を回避し、住民の不安を解消するために、保健所以外での相談体制の拡充を図ることが求められる。例えば、市区町村に新型インフルエンザに関する専用相談窓口、専用相談電話等を設け、疾患に関する相談のみならず、生活相談や地方自治体の行う対応策についての質問に至るまで、できる限り広範な内容の相談・問い合わせを受ける体制を整えることも必要である。 141
(別添1)
新型インフルエンザ関連ホームページ
・世界保健機関(WHO)
トップページ http://www.who.int/en/
インフルエンザ関連 http://www.who.int/csr/disease/influenza/en/
鳥インフルエンザ関連 http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
・新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/index.html
・厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/
検疫所 http://www.forth.go.jp
国立感染症研究所 http://www.nih.go.jp/niid/index.html
国立感染症研究所感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
・警察庁 http://www.npa.go.jp/keibi/biki6/080918influenza.pdf
・外務省(「海外安全ホームページ」) http://www.anzen.mofa.go.jp
・文部科学省 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/11/05112500.htm
・経済産業省 http://www.meti.go.jp/press/20070327007/20070327007.html
・農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html
・国土交通省 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/15/150325_.html
・海上保安庁 http://www.kaiho.mlit.go.jp/security/index.html
・環境省 http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html
・各都道府県及び市区町村のホームページにも掲載されている場合があります。
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(別添2)
個人での備蓄物品の例
○食料品(長期保存可能なもの)の例
米
乾めん類(そば、そうめん、ラーメン、うどん、パスタ等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度、停電に注意)
インスタントラーメン、即席めん
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料
育児用調製粉乳
○日用品・医療品の例
マスク(不織布製マスク)
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール(アルコールが60%?80%程度含まれている消毒薬)
常備薬(胃腸薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏
ガーゼ・コットン
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
※薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があるため、購入時に医師・薬剤師に確認すること。
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
洗剤(衣類・食器等)・石鹸
シャンプー・リンス
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紙おむつ
生理用品(女性用)
ごみ用ビニール袋
ビニール袋(汚染されたごみの密封等に利用)
カセットコンロ
ボンベ
懐中電灯
乾電池
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