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第1課題 日本語の複合格助詞を具体的に挙げなさい。また、それぞれの複合格助詞の意味と用法について、自作の例文を用いて説明しなさい。
第1課題 それぞれの複合格助詞には、使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語があります。それらをよく整理してなるべく簡潔にまとめてください。例文については自作の例文を用いてください。教科書のものは不可とします。なお、参考文献を必ず明記してください。
課題解説 以下の項目に重点を置いてレポートを作成してください。
<課題把握>
【レポート課題の問い】を正確に理解できているか?
レポートを作成する際に踏まえるべき【考察条件】を見落としていないか?
【考察の種類・タイプ】(報告型か論証型か)を正確に判別できているか?
<教材理解>
【シラバスの学習範囲の内容】(とりわけ、教材の主張、専門用語、重要な論点など)を正確に理解できているか?
【レポート課題に必要なテキストの内容】を正確に理解できているか?
テキスト以外の関係資料を参照して、【主題】を多角的に理解できているか?
<論理構成>
【レポート課題とあなたの結論】がしっかりと対応しているか?
1パラグラフ・1主題の原則を踏まえて、適切な長さで書かれているか?
パラグラフで最も述べたいことが題目文の中に書かれているか?
パラグラフの中の文と文は概ねスムーズにつながっているか?
パラグラフ間がスムーズにつながっているか。
説明・論証に必要な【データと論拠】が補足文の中で十分に踏まえられているか?
<原稿作法文章作法>
【論理構成の観点】から見て、内容の重複がないか?
【文章作法の観点】から見て、誤字・脱字、語調の統一、主語と述語の対応、つなぎのための接続語等が適切に使われているか?
【原稿作法の観点】から見て、句読点、改行、行頭・行末の禁則、括弧記号等が適切か?
【引用・参考文献】(本文中と文末のリスト)の記載方法に誤りはないか?
それぞれの複合格助詞には、使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語があります。それらをよく整理してなるべく簡潔にまとめてください。例文については自作の例文を用いてください。教科書のものは不可とします。自作の例文を用いるのは理解の正確さを確かめるためです。なお、参考文献を必ず明記してください。
回答案 日本語の複合格助詞とは、例えば「として」のように、「と」と「して」の語が組み合わさって格助詞の働きをするものである。教科書では、「として(は)」、「にとって(は)」、「にしては」、「~から~にかけて」、「にわたって」、「にかけては」、「に対して」、「について」、「に関して」、「をめぐって」、「にもとづいて」、「をもとにして」、「にそって」、「にのっとって」、「に即して」、「によって」、「を通じて」、「を通して」があげられている。
以下に、●「複合格助詞」とその主な意味、A 使われやすい文脈、B 使われやすいトピック、C 結びつきやすい語、の順で挙げる。
●「~として」は、~の立場・観点から、また、~資格として、何かをするのを表す。
A 状況を述べた後で立場の文を述べる。「目標を見失ってはいけない。創大生として人間性を磨こう」。
B 資格・立場から述べる。「評論家が批評するのではない。一級建築士として検査するのです」。
C 動作を表す動詞など、上記の「磨こう」「検査する」など。
●「としては」は、ある事柄を主題に取り上げる、あるいは、比べる事柄を示す、などの話し手の判断が入る。
A 「我が国としては賛成する。」では、「我が国」が持つ意向を示しており、多くの場合、我が国と他の国の意見の違いなどを述べる際に用いる。
B 「兄は優秀です、弟としては嬉しくもあり悔しくもあります。」では、対比する相手(兄に対して自分=弟)の感想を示す。
C 評価や価値判断を表す形容詞など、上記の「賛成する」、「嬉しく」など。
●「にとって」は、その立場からはどうかとの評価・価値判断・気持ちを表すことが多い。
A その立場からはどうかを述べる、「彼にとって、負けられない試合だ。」では、彼の立場では負けられないと強調している。
B 説明を加えるもので、「私にとって、大きなチャンスだった。」では、特別な事情がある説明を加えている。
C 評価や価値判断を表す形容詞など、上記の「負けられない」、「大きなチャンス」など。
「にとって(は)」
●「にしては」は、「にとっては」と、両方の形を使用できる。一つの状況を説明した上で、更にもう一つの立場・意見を述べる。
A 二つを対比して述べるもので、「アメリカにしては小さな事柄だが、日本にしては大きな事件だ」では2つの国の事を続けて述べて比較している。「アメリカにとっては小さな事柄だが、日本にとっては大きな事件だ」と言い換えてもほとんど同じ。
B 期待と違った場合の評価を述べるもので、「彼にしては、ツッコミどころだらけの話だった。」
C 評価や価値判断を表す形容詞など、上記の「小さい」、「大きな」など。
●「~から~にかけて」は、2つの場所か時間の間に起きる/起こった事柄/状態を表す。「6月から9月にかけて、猛暑日が続いた」、「東京から名古屋にかけて高速が大渋滞している」では、時間と地点間を述べているが、境界が必ずしも厳密ではなく、「~から~まで」と比較して曖昧さを持つ。なお、ここで(は)を付けた「~から~にかけては」は、同様の使い方であるが、「~にかけては」として使うのは、空間的・時間的意味と異なる意味となり、特別高度な能力を表すのに用いられるので、注意を要する。
A 大まかに2つの場所間、2つの時点間での事情などを表す。「九州から近畿にかけて、雷のおそれがあります。」
B 天気、天候、交通事情、経済事情ほか、状況描写に使える。「右足首からくるぶしにかけて、しびれがあった。」
C 暑いなど、梅雨など、混雑など、インフレなど多様な形容詞が使える。
●「にわたって」は、数量を表す名詞に付いて、その規模が大きいことを表す。「北海道から東北・関東にわたって大地震が発生した」
A 「房総半島から茨城県にわたって、台風並みの突風が通過した。」など、大きな災害などで使われる。
B 「海岸の2キロメートルにわたって、多数の小魚が打ち上げられた。」など、災害、経済事象などを表すことが多い。
C 数量を表す形容詞がついた名詞と結びつく。
「にかけては」
●「に対して」は、それを対象とする、向き合う、相対して、を意味する。「多数に対して意見を言えますか」では方向を強調する。
A 文としては文末には働きかけを示す動詞・形容詞がくる。
B 「相手に対して止めろと言う。」対立する対象をあげ、行動を示す。
C やや困難な行動を示す語と結びつく。
●「について」は、主題を取り上げる、主題を説明したりするのに用いられる。「に関して」も同様だが、広く関係することまでを含める、やや硬い表現になる。「をめぐって」も同様であるが、複数の立場からの話題であるときに用いる。「日本語について話をしていきたい」「日本語に関して議論していただきたい」「日本語の難易度をめぐって、いくつかの外国語との比較をお願いしたい」
使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語
A
「に関して」
「をめぐって」
●「にもとづいて」「をもとにして」「にそって」は、手本・基準に適合するように行うのに用いられる。「学校の規則にもとづいて指導します」では規範に適合させる趣旨である。「古民家をもとにして明るい店に改装する」では元のを活用しながら、という趣旨である。「定規にそって文字を揃える」では定規に筆を密着させて書く趣旨である。
「にのっとって」も同様に規範に従う趣旨で用いられ、
「に即して」「に則して」は規則・法律に従う趣旨で用いられる。
使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語
●「によって」は、原因・理由、手段、根拠、受け身文での動作主、場合などに用いられる。
「地球温暖化によって夏が長くなった」原因・理由、「新幹線によって日帰り出張が可能となった」手段、「アリバイが崩されたことによって有罪となった」根拠、「信長によって天下統一が成し遂げられた」受け身文での動作主、「大人か子供かによって値段が違います」場合。
使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語
●「を通じて」、「を通して」は、経由する、介在する意味で用いられる。さらに、その期間中続く趣旨もあります。「を通じて」と「を通して」では「を通して」の方が努力を伴う趣旨が加わる。
「校長を通じて/を通して教育委員会の許可を得た」経由、介在
「SNSを通じて/を通して悪評は広まった」仲介
「学校図書館は学期を通じて/を通して利用可能」期間中常時
使われやすい文脈、トピック、結びつきやすい語
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