「ITS研究開発の最新動向」

IEEE VTS 平成22年6月23日(水)上智大学四谷キャンパス 
☆ VTS日本支部主催のITS講演会について(受付終了): [NEW !]

これのメモ作成にはFMV-BIBLOを使いました。iPADの出番が増えないです。

 VTS日本支部で企画致しました下記講演会につきまして、多数の皆様から参加のご希望がありました。申込数が会場の収容数に達しましたため、講演会の申込受付を終了させて頂きます。これから申込を予定されていました方には大変申し訳ございませんが、ご了承頂けますようお願い申し上げます。

日時: 平成22年 6月23日(水)午後14:00~17:00

場所: 上智大学 四谷キャンパス 中央図書館・総合研究棟(L号館)9階 921号室
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya を参照

タイトル:「ITS研究開発の最新動向」

講師および講演内容: IEEE VTS Japan Chapter講演会のお知らせ をご参照ください。

開会あいさつ 服部支部長 
最近韓国に抜かれつつあり、日本も頑張っていきたい。

ITSに関する総務省の取組と海外の動向 総務省総合通信基盤局電波部移動通信課次世代移動通信システム推進室長 坂中 靖志
1 ITS無線システムの現状と動向
・ITS(高度道路交通システム)とは 快適・利便+安全+環境 の三つを目的
 今日は安全運転支援を中心の話になる。
・ITS無線システムの制度化状況 
 VICS、ETC,DSRC(狭域通信システム),準ミリ波レーダ 、など。VICS,ETCの普及は進む。
・DSRCを用いたスマートウェイの全国展開 ETCのスポット通信を活用(国際標準) 
・準ミリ波・ミリ波レーダシステム 60G,70Gの長距離用に加え今年から24・26GのUMEレーダ(短距離用)が始まる。
・インフラ協調型安全運転支援システム
 車車間通信、路車間通信による。
・交通事故分類・要因と安全運転支援システムの効果 交差点や見通し不良地点での事故が多数。
2 ITS用周波数の電波特性
・700MHz帯(アナログテレビ放送跡地)の利用 安全運転支援システムに適す。2012年7月から利用可能に。
 現在情報通信審議会ITS無線システム委員会における検討 700M帯での通信方式 隣接システムとの妨害防止
3 ITS政策
・ IT新改革戦略 2006.1
・ 新たな情報通信技術戦略 2010.5
 災害・犯罪・事故対策の推進工程表 
・欧州におけるITS構築のためのアクションプラン 2008.12 EU委員会 これをEU指令に格上げする提案が出ている。
・米国におけるITS政策 ITS戦略研究プラン 2009.12 米国交通省 研究革新技術局 USDOT/RITA
 米国ロードマップ 車車間通信、路車間通信 
・日本におけるITSプロジェクトと標準化
 ASV/4 DSSS スマートウェイ 
 標準化は ITS情報通信一ステム標準化委員会
・欧州における
 CVIS SAFESPOT COOPERS
 ISO TC204委員会 WG16 CALM-M15
 ETSI でTC-ITS委員会を設置
・米国における
 VII IntelliDrive VSC-A
 SAE DSRCメッセージセット J2735
 IEEE 1609委員会 WAVE上位レイヤ
・日米欧におけるITS無線システムの比較
 RC-006 IEEE802 など、チャネル数は欧米が多い。
質問 5.9Gは日米で近い周波数を利用。700Mは日米で周波数がかなり違うが、どうか。
回答 米国は5.9を進めている。
質問 中国の動きは何かありますか?
回答 中国でも関心があるが、他のことが優先だろう。安全運転支援も今後のこと。

自動車社会の発展に貢献するカーエレクトロニクスとITS トヨタ IT/ITS企画部 技術室長 木津雅文
無線以外も触れる。
1 車の歴史
 世界初の車の ベンツの広告 家畜の代わりに使って
 メカニカルから、単体・アナログ電子制御、そして統合・デジタル電子制御へ 発展してきた。
 レクサスの宣伝用VTR上映
2 最近の社会状況  交通事故の状況、地球温暖化、ユビキタス社会の進展 -> つながる 車載ITシステム
3 トヨタのITS
・ 日本のITSの発展
 1995年 横浜で第二回ITS世界会議
・ トヨタのIT/ITSビジョン 持続可能なモビリティ社会の実現
 安全 死傷者ゼロビジョン 自律系システムとインフラ協調システム、 予防安全+プリクラッシュセーフティ、衝突安全
・画像認識システムと認識技術
 車外 障害物情報 プリクラッシュセーフティ(ステレオカメラ方式でのステレオ視 など、 車内での
・昨年の大規模実証実験のVTRを上映
4 将来に向けた課題
・ 情報化は移動を減少させるか? 触発される部分もある。
・ 制御の高度化は移動の自由を奪う? 自由な移動を確保・高度化する。
質問 車内の通信速度は
回答 ワイヤで数メガは既にあるが、もっと必要。情報が同時に来るのが多いので。ワイアレスでも、もっとニーズがある。

日本における運転支援通信システムの研究開発状況 ITS情報通信システム推進会議 運転支援通信システム専門委員長(富士通) 堀松哲夫
・車車間通信や路車間通信を利用した安全運転支援システムへの高度化 VICS ETC DSRC の高度化
・体制 
 標準検討TG 700M 仕様策定、実証実験、標準化
 方式検討TG 5.8G 仕様策定 実証実験 
 VSCTG    国際標準対応、海外団体との連携協調
・検討経緯 調査、技術検討、標準化検討   
 RC-005,RC-006,RC-007
・車車間通信システムの通信エリア例 出会い頭衝突防止 送信 、受信
 5.8G ITS FORUM RC-005
 700M              006 
・通信実験 日本自動車研究所(つくば市) 模擬的な交差点 N:N通信実験
 多数の車両を並べての実験 見通しの悪い状況にはコンテナを路側に並べて
・通信実験 お台場 
・08年度の大規模実証実験 まとまったので、それを元に評価 
 大都市モデルで、10mでならほぼ使える
・700Mの電波伝搬特性 
 伝搬損失、遅延プロファイルを測定できた。
・Draft System Architecture
 720M帯 10Mバンドで、どこまでIPを載せられるかは今後の課題か、
・ミリ波を用いたレーダシステムの高分解能化技術開発
 20cm以下の分解能目標 歩行者・自転車等の検知とこれらの個別分離 79G帯で数G幅を使って。
 400M幅では分離できないが、3G幅で分離。
以下は私見
・700M帯 今は日本だけ。欧州とは連携準備。米国ではオークションにて割り当ても
・5.8G帯 味さにプロモーション 米国で規格準備中、欧州は米国に合わせる
・79G帯 日本で審議会で審議中 欧州では連携 米国ではまだ
質問 車車間通信で、最終的には全車両が装備だろうが、それは遠い将来。当面はどれぐらい?
回答 それは大きな課題。だから先には路車で情報が取れることだろう。地デジの跡地は使えるようになるので、5年10年の長いレンジでみていただきたい。

車車・路車共用方式のシミュレーションおよびフィールド実験結果の紹介 デンソー 研究開発3部長 松ヶ谷和沖
1 700M運転支援無線システム
・検討の経緯 08.10 共同実験 
・RC-006での通信要件と無線方式 
 車車間通信で通信品質が5・10・15m移動する間に一つでも正しくパケットを受信できる確率が96パーセント以上、など。
2 車車路車共用方式の提案
・基本コンセプト 時間分割が基本 路車間通信が送られる時間フレームでは路車間通信が送られる。このフレームでは設定した路側機のみ送信可能。それ以外の時間では車車間通信フレームになる。そこでは各車載機はCSMA/CAで送信制御。
・パケットフォーマット&タイミング FI フレームインフォーメーション
・FIの転送 路側機のサービスエリアから離れた車載機にも路側機送信時間情報を伝えることができる。
、FIの破棄 路側機がない場合の無駄を省ける
3 実験に使用した無線機
・路側機(信号柱に取り付ける想定)
・車載機
・複数路側機が存在するケース、 ていあんするのは、あらかじめ時刻を同期させておき、違うタイミングで信号を送信
4フィールド実験結果
5 方式検討
・通信トラフィック増加の影響
 シミュレーション結果 従来のCSMA方式なら5m165台まで収容可能、今回の共用方式で5m176台まで
・隠れ車載機が存在する場合 CSMAでは邪魔されてしまうが、共用方式では路側機からの電波はしっかり受けられるようになる。
6 総合的な検討 CSMAでうまくいかなくなるケースでも、共用方式ではうまくいくことが分かった。

ITS統合シミュレータのプロトタイプ構築 JARI(日本自動車研究所) ITSセンター 主席研究員 関馨
1背景
・イメージ 交通流シミュレータ 通信シミュレータ 電波伝搬シミュレータ ドライバ(行動モデル)シミュレータ
・海外 
iTETRIS Integrated Wireless and Traffic Platform for real-time road traffic managemento solutions
simTD Safe and Intelligent Mobility-Field Trial Germany
2研究の概要
・プロトタイプ構築
・Phase1 既存シミュレータの統合 評価
 Phase2 ドライバモデル 環境最適化(高速)
・1 通信システムシミュレータ 2 交通流シミュレータ(MAnTES、メンツ、 オープンソース) 3アプリケーションシミュレータ 4Universal Drivers Model UDM ドライバーモデル56
・ドライバが認知エラーを起こすことにより事故が起こる。
3構築作業
・実際の事故も、実はなかなか起こらない。よく事故の起こる交差点でも、数百万台が通って一台の事故というぐらい。そこまでシミュレータを回すかどうか。高速化の必要がある。
・そもそも、統合シミュレータが必要になった理由が、この、めったに事故が起きないからであったはず。
・ドライバの不完全性、通信の不完全性などが、複合して事故が起きることになる。
4動作評価
・計算時間を比較。結構データベースの処理時間がかかる。
・交差点で交差する道路が見えなくなるような障害物があるとき、その道路を走る車両が、避けるべき車両のデータから消す。確率的にふつかる。車車間通信があれば、通信が到達すれば、見えないところの車両もデータに載るので、避けられるはず。
・非優先道路の車両は、優先道路で車が走っているのが見えると速度を緩め、停止するものとする。
5まとめ
・車車間通信の効果のシミュレーションができる。
・他の用途にも使えるかもしれない。

その他、ITS関係のご紹介
ITST2010 http://www.itst2010.org/ 11月9日から三日間 コープイン教と グリーンITSがテーマ ITSにおける通信ですが、ITS全般の諸問題も対象。
2012年5月 日本で 横浜パシフィコ 、久しぶりにVTSの総会が日本であります。Call for Paper

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