国土地理院報告会 2010.6.2

国土地理院報告会 2010.6.2(水)新宿明治安田生命ホール 10:00~ 
これはポメラにてメモ。まだiPADで打ち込む自信はありませんです。ワープロ的な誤字が多くなりますね。暗い会場では打ちながら見直すというのが困難だから。パソコンで打つのより、一桁変換誤りの誤字が増えます。4日に見直しましたが、たったこれだけで10か所以上の誤字がありました。お恥ずかしい。そのまま出してはいけませんね。

安田喜憲 – Wikipediaこの先生のことは何も知りませんでしたが、収穫でした。
話の始めでは、あっけにとられて、大丈夫かなと心配したのでしたが、聞いていて納得できました。

開会挨拶 国土地理院長 小牧和雄
昭和35年発足以来50年。地理空間情報というように英語名称を変更した。geospatial information authority of japan Ministry of infrastructure、transport and tourism
西口広場にてデモ。

第1部 特別企画 地理空間情報の災害対応への活用

高度な画像処理による減災を目指した国土の監視技術の開発 測図技術開発室長 大野裕幸 
大規模地震を対象 事前対策として地盤の弱い場所(盛り土)の脆弱性予測。一部を自動化するプログラムを作成してインターネットで公開した。事後対策として、空中写真を使った建物倒壊把握。デジカメになって日没頃でも撮影可、通信衛星(きずな)で画像伝送実験で伝送時間短縮6時間。画像処理で地上高取得、建物高が低くなると建物倒壊推定、フィルタリングで31時間後に結果。順調にいけば55時間。目標は72時間以内。ケータイ(災害時にも比較的生き残る可能性高い)で災害情報提供。http://gensai.go.jpにて成果公表。
質問 他のネットの手段は?インマルサットなど速度数メガ。
回答 不可能ではないが、現場で写真を選ぶのは難しい。40メガなら使える。飛行機からの直接伝送はきずなでは指向性アンテナの問題があり、今は無理だが将来はできるかも。

測量法航空機{くにかぜⅢ}の概要と役割 画像測量課長 林考
S35年から初代くにかぜ、S58年からくにかぜ2、2万5千分の一の地形図整備。H19からはオルソ画像なども。H22から、くにかぜ3。オルソ画像は歪みがないので、地図同様に測定とか修正が容易。
基盤地図情報整備 都市計画区域で、1万分の一の写真。5mメッシュのDEMと20cm分解能のオルソ画像
その周辺の区域では2万分の一で撮影し、5mメッシュのDEMと40cm分解能のオルソ画像。
これらの撮影は主に会社への発注。災害対応とか離島などは、くにかぜで対応。年1回程度の災害対応実績。
3代目 せすな208B グランドキャラバン 
合成開口レーダー SAR の導入などで、大型機種に。機種変更のため防衛省の運航でなく、民間運航になった。従来は徳島から下総へ2時間かかったが、調布から竜ヶ崎へ30分に短縮される。Ja315Gの機体番号は逆から読むとGSI3号と読める。

航空レーザーデータによる地形変異の抽出 平成20年2008年岩手・宮城内陸地震 防災地理課長 鈴木義宣
H20.6.14岩手・宮城内陸地震 この地震での詳細の活断層図を作成した。航空レーザーの計測(メッシュサイズは、場所により、50cm、2m、5m)。細かい部分は狭い。荒い部分は広い。この地震は大規模な地滑りが発生した。地形変位の抽出にデジタル標高データが有効。

被災地の災害対応を支援するための位置情報の活用 京都大学 浦川豪
災害対応・災害復旧期での
2004新潟中越地震から被災地の災害対応に役立つ情報システム及び情報処理技術の構築を研究
発災 応急対応 復興 の各段階
現場で役に立つ危機対応システム 災害対策本部で使うものと、現場で使う物に分かれる。
ここでは本部の話。 従来の位置情報を利用した災害現場における情報処理では、どこで被害が多いかぐらいしか分からない。必要なのは、その次に、どうすればよいかを検討できるデータ。被害のカテゴリを整理して見て分かるように被害地図をつくるのが課題。EMC 地図作成班EMERGENCY mappinng center 
情報共有で状況認識統一をさせる。具体例 地名では場所が分からないのを、どこまで水道が復旧したかを地図表示し、給水車をどこに派遣するかに役立てた。
一元的な危機管理情報処理システム。
地図作成班のミッション 最新の情報を各対応状況にあわせて迅速に整理して提示し、認識統一に寄与し、対策立案に貢献すること。
生データは市町村等から深夜にFAXなどで本部に、県職員はエクセルで中間ファイルで朝9時前後までに整理。EMCではそれをまとめてGISを使い地図上に表示し、統計データを印字し提供する。
人は、研究者と、民間のトップレベルの技術者が交代で対応。
統計数値と、地図上の表示とは、感触が相当に違う。両方の組み合わせが必要。
警察の管轄別の被災住宅と避難状況の地図表示を行い、警察による警戒に活用された。
EMCで139種類の地図を作成。各主題で利用頻度が各段階で変わってくる。各主題によって、地図におとした後で集約集計するのが頻繁に使われた。本部では俯瞰的にとらえて対策立案に役立てる面が強い。
災害が発生してから構築するのではなく、事前に作っておくのを目指す。災害で変化するものと変化しないものがある、変化しない静的情報を活用するGISは平時から構築して日常で活用しておくのが良い。
どのようなシステムを作るかについては、空間的課題解決チャートで、情報をレイヤーとして、最初にアナログで透明シートを使って、それを示し、それによりシステムを作り、GISの処理として取り組んでいく手法がいい。
平常時からそなえるべき標準装備を提唱。
住所ポイント、住所は正規化するのがみそ、これで、エクセルに入れたデータがうまくインポートできるようになる。位置情報つきの台帳をつくれる。これでアドレスマッチングが可能。

第二部 特別講演 国土資源の保全と日本文明の未来 国際日本文化研究センター 教授 安田喜憲 環境考古学
学生時代に気候と文明の関係を勉強したいと言ったら、昇進できずにおかれた。当時の地理学は中心を見つけるのが王道だった。それがお金になるからだ。ヨーロッパのような平坦な土地で同心円上に暮らすのと、日本の谷底に暮らすのとは違うと思った。中心地論が地理学の主流、高度成長時代には中心地論が金儲けにつながった。地人相関論をやっていたが日の目を見なかったのできりをつけた。地理学から離れ、環境考古学を始めた。金になることは、欺瞞。温暖化論のIPCCのレポートの間違いは、過去の気候変動、小氷河期を平坦にして、産業革命から単調に温暖化とした、これは金になるから。地球温暖化は2度Cあがると危ないと言う、しかし、正しい過去を認識しないと議論がおかしいと指摘したが、みんな無視した。なぜなら金になるから。それではいけない。それで地理学は今やなににも貢献しない、風前の灯である。私が発表すると、それへの反論が5つほどでる。私は無視されてきました。今頃になってやっと話を聞いてくれるようになった。このような場にも話させてくれるようになった。もっと過去の変動を調べるべき、でないと未来の予測などできない。研究費がとれないから。
今は日本の漂流、第三の危機。
一つは、明治維新で、近代化したが、江戸時代の文化伝統が失われてきた。しかし、西洋文明の昇華に成功した。
第二は、第二次大戦の敗戦。マッカーサーが日本の文化を奪おうとした。言語、食、歴史を奪おうとした。マッカーサーは社会主義的な歴史学に染められるのを野放しにしたことが分かってきた。それは日本の魂としての日本神話を否定したから。歴史を奪えば民族は絶滅することを分かっていた。
私は自然と人間の関係を復活したい。今日は総理大臣が辞任の会見をされていたが、なぜアメリカは沖縄にこだわるか、沖縄が中国の喉仏にささる骨だから、地政学的に分かる、しかし、geopolitik ちせいがく、を勉強すれば分かるが日本の大学では教えない。アメリカは地政学を大事にし、きわめて戦略的だし破壊的です。
イギリスに行った、都市に森はあったが、山に森がない。メソポタミアには深い森が1万年前にはあった。今は禿げ山。ギリシャも2千年前まで森があった。イギリスの森は17世紀になくなったが、18世紀から森を作り始めたので都市にだけ森がある。
ニュージーランドでも森をわずかな間に40パーセント破壊された。この文明は破壊の文明と言っていい。
その文明、グローバル化と市場原理主義という文明が文化を破壊しようとしている、これが第三の危機。これは、かつての危機のように、高度成長などで克服したのとは違って乗り越えられないかもしれない。なぜなら、人間の欲望に根ざしているから。欲望を充足させるためにできたのが市場原理主義、それを包んでいるのは民主主義。
稲作文明では他人の都合を考えないと水の循環により生きているので、いきられない文明。戦後はそれらが破壊されてきた。村八分が非人道的だとか、水利共同体が個人の権利を抑圧、などとして、破壊した。平安時代は死刑がなかった。水の循環系が文明の基礎だった、そのような世界観が江戸時代まであった。それが明治で失われ、人を信頼し、自然を畏敬する心が失われる。
中国では田舎でも鍵をかける。アメリカがなぜ銃を手放せないか、人を信頼できないから。
日本人の心の原点は人を信頼すること。自然を信頼すること、そのような人が集まった社会です。それが破壊されようとしている。
会社では昔は社員を守ってくれる共同体だったが、今は成果主義で、すぐに切る。経済大国でありながら年に3万人の自殺者。日本に会わない心の歪みなんです。
戦後、宗教まで壊されたが、そのとき、日本人は死んだ振りして逃げた。無宗教ですから、と逃げた。実際には無宗教でなかったのに。
しかし、今度は壊され始めている。小泉改革などが代表。国土資源も今や風前の灯火。小泉改革で北海道が最も疲弊した。ニセコという場所では今や、オーストラリア人と中国人に町がとられているので、英語か中国語ができないと生活できない。日本人の中に中国人がはいってくるのは問題ない、日本語をしゃべるから。しかし、外国人の町を作ってしまうのは違う。外国人が土地を買えるのは日本だけ。千葉のゴルフ場の半分は韓国人が持っているのをみなさん知っていますか?名義は違うかもしれないが実質はそうなっている。今や国土が売られ始めている。
日本の70パーセントが森。これは日本人が必死になって森を守ってきたからです。無断で木を切ったら腕が切られるとかの厳しい罰則で守られた。気候と雨のせいではない。
今では過去の気候を年単位でわかるようになってきた。年稿と私が名付けた。木の年輪のように、地層に残っているもの。地震のあととかも、火山の後も分かる。イエスの生まれた年とかを含め、絶対年代が分かる。珪藻類の跡の分析により、森の様子、水位などが分かる。2003年サイエンスに投稿、気候変動に時間差と地域差があったことを示した。気候変動は、そんなに簡単なものではない。今まで変動を明らかにされたのは、北極と南極だけ。北極と南極だけで全部分かるものではない。だから、地域差と時間差を明らかにしない限り分からない。
CO2濃度が過去にない濃度になっているのだから、それを減らそうというのは、間違ってないと思う。ただ、CO2が温暖化をもたらすかどうかはまた別。
いくら現在のデータを集めても未来がわかるものではない。過去の気候変動を詳細にみて、シミュレーションするしか未来は分からない。
もう一つ話したかったけれど、時間ですから、別の機会に。

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