Y-00はパラダイムシフトですよ

辻井先生と広田先生の講演を聴きました。私には中々理解が出来ていないとは思いますが、とりあえずは、Y-00はパラダイムシフトであると捉えてみましょう。
一応私は通信屋で、量子物理の初歩とかスペクトル拡散と暗号は、それぞれ何とかかじった人間だと思いこんでいます。その目から見ての一面からは、Y-00をスペクトル拡散の通信方式と捉えれば、目的をコードが不明の傍受者への情報秘匿とした通信、つまり暗号通信方式と見られます。秘匿の為のノイズ源の性質を、例えばホワイトノイズとかで定義して扱いやすくするのはあっても、そもそもノイズが何者なのかをあんまり通信屋は議論してなかったようにも思います。議論しても仕方ないような見切りは、多分エンジニアのいい加減さと言えるかもしれませんが、そのおかげで実用通信が成立していると、通信屋は思うのです。つまり言いたいのは、量子云々を出さなくても結構議論できるような気がしてしまった訳です。
でもね今から思えば、量子暗号とやらは数理的な世界と物理的世界の二面があるから分かりにくかったんですね。分からないから分かりやすい部分だけを抜き出して分かったつもりになろうとする。Y-00はそれに輪を掛けて、も一つ、通信的世界の面まで持っており、合計で三面があるから、これを分かるのはちょっと待つのが得策かもしれません。あわてても分からないのは分かりませんから。もちろん、分かりませんとだけ言うつもりで述べているのではなくって、通信的世界から見るだけでも十分な便益があるのなら、それだけでも私はすごいと言って思います。

とりあえず、パラダイムシフトの入り口をかいま見た印象でした。

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