PLUTOの感想

昨日読んだPLUTOを今日もう一度読み直した。
私なりに主題をまとめると、ロボットと人間との差別問題と、それを悲しくも乗り越えていくアトム達の勇気ということになるだろうか。
でも、そう言うと何のことか、となるだろうから、更に説明しましょう。ロボットが進歩して人間並みの感情さえ持つものとなり、かつ、それを解決するためのロボット差別撤廃法制が確立した未来世界が想定され、その先端にアトムも在るし、多数のロボットも在る、という未来状況を想定する必要がある。問題はそのロボットの中に、アトムも含めて何人かはあまりに強力なパワーを持っていることにある。それをどう使うかは、常に問題となるのだ。その結果としての悲劇もある。
仏教的感性からか、人間だけが尊いとはせず、ありとあらゆるものに命を見いだす伝統が引き継がれているとも見て良いと私は思う。草木でさえ命であれば、ロボットならいやまして、ではないか。おっと、この漫画にはそこまでは描かれていないのは認めざるを得ない。でも、良いではないですか、勝手に自分の思いを写して見ても。
いずれにせよ、未来世界であっても、状況は大きく異なったとしても、現世と異ならない人の世の憎悪とか、理解と愛情の困難、その反面の、人と命の美しさと自己犠牲の麗しさが描かれるのである。
プロットだけを原作から受け継いだと見えるかもしれないが、原作の指向した方向性を真っ向から引き継いだ作品だと、私は思う。日本の漫画の質は、しっかりと受け継がれていますよね、手塚先生。